「山車会館」を整備へ…江差町

 【江差】江差町は新年度、道内最古の祭礼として知られる姥神大神宮渡御祭の山車を公開する「山車会館(仮称)」を江差追分会館(中歌町)に併設して建設する方針を固めた。日本宝くじ協会(東京)の全額助成で建設費を確保する。建設地選定をめぐっては、町が設けた有識者検討委が同神宮隣接地への建設を答申。しかし、町は維持費低減や敷地面積の確保を理由に“併設”を選択したことで祭礼関係者が反発。整備計画を進める上で大きなしこりを残した。

 濱谷一治町長が9日の町議会議員協議会で表明。町内にある13基の山車のうち2基程度を収蔵・展示する。江差追分会館に併設することで、人件費や維持管理費の圧縮を図るほか、相乗効果による観光客増加を狙うという。

 町財政は起債償還のピーク期で、徹底した歳出削減が必要な時期に新たな“ハコモノ”建設を進めることに慎重意見も根強い。町は同協会からの助成額の範囲内で建設を進める方針。1月中旬にも助成窓口の道に申請書を提出する。濱谷町長は「町費負担を伴わないことや(公共事業が大幅に減っている)地域経済の在り方を考えて整備を進めることを決めた」とした。

 町は昨年10月、地元商店街や祭礼関係者による検討委を設置し、建設場所や展示内容を検討してきた。建設場所について検討委は同神宮の隣接町有地(旧平野旅館跡地)が望ましいと答申。町内13基の山車保存会長と運行責任者である「頭取」も全員が賛同した。しかし、町は(1)コスト低減(2)江差追分会館との相乗効果(3)敷地面積の余裕―などを理由に建設場所を決定。7日の検討委に報告したが議論は紛糾し、委員長が辞任し検討委が解散する事態となった。

 9日の議員協議会でも複数の町議が「十分な議論が必要」「町民合意の形成が重要」と指摘。町総務政策課は「今後は関係者の意向を十分に尊重する」と説明。濱谷町長も「単独建設では運営面でのリスクが大きい」として理解を求めた。

update 2009/1/10 10:12
提供 - 函館新聞社


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