ロシアから足環付きシメ…七飯で発見 国内初の確認
【七飯】ロシアの足環が付いた野鳥のシメ(スズメ目アトリ科)が6日、七飯町本町の民家で見つかった。窓に激突し、即死状態だったシメの足に鳥類標識調査の目印となる環があるのに気付いた住民が町に通報。足環には「TA64510 MOSKVA」と刻まれ、ロシア国内で放鳥されたことが判明した。山階鳥類研究所(千葉県)によると、国外で放されたシメが日本国内で確認されたのは初めてで、「シメの標識個体は少なく画期的なケース」としている。
シメはユーラシア大陸からヨーロッパ大陸にかけて広く生息し、国内では北海道から九州まで分布し、道内では留鳥として知られている。
今回、回収されたシメは体長約17センチで、雄の成鳥とみられる。窓に映った林を目がけて衝突したらしい。町職員が到着後も近くにシメの群れがいたという。同研究所が足環の文字から調べた結果、2008年9月14日、同町から約1800キロ離れたカムチャツカ半島南端で、日本とロシアの研究者が現地のシメを放鳥したことが分かった。
同研究所は「秋にカムチャツカで付けた足環が冬に北海道で見つかったことで、道内では1年中見られていたシメの中に、ロシアのシメが南下して越冬しているケースも考えられる」と分析。留鳥ではない可能性も秘めていると指摘し、シメ研究の新たな一歩になり得るとしている。
同研究所は近く、ロシアの研究所に照会し、さらなる研究を進める。
提供 - 函館新聞社
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