生産者の「顔」発信しやすく…未来大生が農水産業者向けソフト

 公立はこだて未来大(中島秀之学長)の学生グループが、農水産業者が活用できるウェブサイトのソフトウェアを開発した。既に実用化されている産品の安全性を消費者に伝える携帯電話のトレーサビリティ(生産履歴)システムと連動し、生産者自身が情報を編集しやすく、手軽に運営できるのが特徴だ。関係者は「ぜひ多くの生産者に使ってほしい」と話している。

 ソフトウェアの開発は、2003年から同大が始めた水産物の携帯電話を活用したトレーサビリティシステムの研究がきっかけ。実用化した05年、青森県十三漁協が十三湖産大和シジミの販売に導入。しかし、利用率が低かったため、消費者の関心を高めようと、生産者が編集・運営できるソフトウェア開発に07年から着手した。 完成後の9月、この取り組みを聞きつけた宗谷管内遠別、手塩、幌延3町の産業関係者らでつくる「てんぽく活性化協議会」のトレーサビリティ検討部会が、特産品のブランド化を目的にソフトウェアの提供とサイト構築を依頼。「プロジェクト学習」の一環として、3年生14人が約3カ月掛けてソフトウェアの内容を充実させるなどし、専用サイトを提供した。

 サイトは、漁業者が日々の様子をつづるブログ(日記風のサイト)や人物紹介コーナー、旬カレンダーなど多彩。学生が描いた漁業に関するユニークな漫画もある。

 情報を更新する際は、登録者だけが入れる編集ページでいくつかの質問事項に答えるだけで済む。リーダーの東川弘樹君(22)は「使いやすさを心掛けたので頻繁に更新してほしい。漫画やレシピもあるので、学生や主婦にも見てほしい」と話す。

 担当の三上貞芳教授は「汎用化がテーマ。多くの生産者に使ってほしい」と語る。木村健一准教授も「1次産業従事者の生の声はどれも新鮮。多様な内容が一括して使え、トレーサビリティと連動するので信頼性が高まる」と利点を説明する。

 同大ではほかの希望者にもソフトウェアを提供し、普及を図る考え。問い合わせは三上教授の研究室TEL0138・34・6561。てんぽく活性化協議会のホームページアドレスはhttp://www.trace−info.jp/teshio/

update 2008/12/30 17:01
提供 - 函館新聞社


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