「カリヨンの塔」修繕 4年ぶり音色響く…石別中
【北斗】トラピスト修道院にほど近い北斗石別中学校(北斗市三ツ石270、三觜徳久校長)のカリヨンの塔が修繕を終え、4年ぶりに澄んだ音色を奏でた。塔上方の9つの鐘が美しい旋律を刻み、静かに生徒たちの登下校を見守っている。
現校舎は1991年、「自然と修道院の調和」を基調に完成した。そのうち、高さ17メートルの「カリヨンの塔」は同校のシンボルとして建設。自動演奏装置で午前8時20分と午後4時の2度「赤とんぼ」や「何てすてきな曲」など4曲から演奏し、地域の音色として親しまれていた。
だが、海から近く、塩分混じりの強風が直撃する同校では数年前から鐘の腐食が進み、2004年度には演奏が不能に。「ほかの学校にはないシンボル。子どもたちに鐘の音を聞かせたい」という三觜校長(49)の強い願いで、本年度、市内の業者が鐘の修繕を手がけることになった。在校生の多くは鐘の音色をこれまで聞いたことがなく、修繕後、JR渡島当別駅まで届く鐘の音に心を和ませている。
「赤とんぼ」を作詞した三木露風はトラピスト修道院で講師を務めていたことが知られており、同校では親しみをこめ午後4時の鐘として毎日、演奏される。また、久々に響く鐘の音は地域や来校者からも好評で、同校では来客を迎えたときなどにも鐘の音を披露している。
三觜校長は「鐘が鳴ると足を止めて、ふと塔を見上げてくれる。この学校のよい部分を知ってもらい、子どもたちに学校に誇りを持ってもらいたいのです」と微笑えむ。
トラピストの丘にたたずむカリヨンの塔は年末年始も静かに時を知らせる。
提供 - 函館新聞社
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