日銀支店11月の景況判断「厳しさが増している」
日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は26日、11月の道南地方の金融経済動向を発表した。管内の景況判断を「弱い動き」から引き下げ、「厳しさが増している」と7カ月ぶりに下方修正した。雇用環境の厳しさや株価の下落に伴い消費マインドが悪化し、生産面でも電子部品を中心に操業度を引き下げる動きが拡大しており、急速な景気後退の波が道南にも押し寄せている。
項目別では個人消費、観光、生産、雇用の4項目について判断を引き下げた。市川支店長は「電子部品製造を中心とする生産面が冷え込み、企業の景況感もさらに悪化を見込む傾向にある」と分析。世界経済が今後も減速、後退する可能性が高く、当面は厳しい状況が続くとして表現を強めた。
個人消費は「低調な動き」から「弱まっている」へ悪化。主要小売店10社の売上高は、平均気温が高めでコートなど冬物衣料の不振が響き、前年同期比8・0%減と下げ幅も拡大している。新車登録台数は新型車が好調な軽乗用車は同3・5%増と3カ月連続で前年を上回ったものの、普通・小型車は4カ月連続の前年割れで同19・8%減と大きく落ち込んだ。
観光は「弱い動きが広がっている」から「厳しい状況にある」に悪化。函館空港乗降客数が国内便が14・6%減、国際便が38・1%減と急激に落ち込んでいて、主要ホテル20社の宿泊客数や五稜郭タワー利用客とともに2けた台の減少幅を見せ、いずれも7カ月連続の前年割れとなった。
生産は電子部品について「頭打ち」から「需要減少を映じて操業度を引き下げている」と一段引き下げた。特に携帯電話や自動車向けの受注が減少する電子部品(半導体、水晶デバイス)の低操業が主因。雇用も11月の有効求人倍率が0・44倍と17カ月連続の前年割れとなり、98年4月―99年9月の18カ月連続前年割れのワースト記録に次ぐ低水準で、今後も一層の悪化が懸念される。
提供 - 函館新聞社
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