函館焼きの魅力知って 陶芸家の高村さん、1月に展示会と陶芸教室開催

 函館開港と同じ年に函館で焼き物「箱館焼」が誕生、来年150周年を迎える。道内で初めて陶芸文化が生まれた函館での焼き物の発展を願い、現代の「函館焼」作りに励む函館市美原の陶芸家高村智さん(53)の展示会、陶芸教室(JR北海道函館支社主催)が1月16日からJR函館駅2階イカすホールで開かれる。高村さんは「自由に触れてもらい、函館焼がどんなものか見てもらいたい」と話している。

 高村さんによると、箱館奉行所による地場産業の育成・振興の一環で、岐阜県の陶工ら総勢46人の職人が市内谷地頭町で開窯。1859(安政6)年に焼き物の製造に成功し、道内の陶芸文化の幕開けとなった。

 当時は「谷地頭焼」、後に「箱館焼」と呼ばれ、その多くが磁器だった。茶わんや湯飲みなどがあり、絵付けではアイヌ民族などが描かれた。しかし、良質な原料を本州から取り寄せて製造していたため採算が合わず、3年ほどで途絶えてしまったという。現在、市内では市立函館博物館(青柳町)に24点収蔵されている。

 「箱館焼がもし途絶えなかったら、函館は窯業のまちになっていたかもしれない」と思いをはせ、高村さんは伝統を守りながら近代風にアレンジした「函館焼」を制作する。当時のように磁器を取り入れながら自身の感性で現代風にし、磁器、陶器を単独で作るだけでなく、磁器と陶器の原料を混ぜた半磁器も手掛け、磁器の丈夫さを生かしつつ陶器の味わいを引き出す。市内の旅館や札幌のホテルなどの業務用にも制作し、「函館焼」を多くの人に広めている。

 1月16―21日の展示会には近作の陶器、磁器、半磁器50点を並べ、それぞれの魅力や表現方法を知ってもらう。陶芸教室は16―18日の3日間で小学4年生以上が対象。午後1時半―午後3時。制作テーマは自由。各日定員15人。材料費2000円。申し込みは9日まで。問い合わせは同社TEL0138・23・3359(27日―4日を除く平日午前9時―午後5時)。

update 2008/12/26 13:28
提供 - 函館新聞社


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