福島の鳴海さん地元のコンブとスルメ使い正月飾り

 【福島】福島町日向460の鉄工所社長、鳴海健児さん(69)は、福島特産の養殖マコンブとスルメを器用に組み合わせた正月のしめ飾りを今年も作っている。初めて取り組んだ昨年は約400個を手掛けた。親せきや近所、全国各地の同級生らに送り、「福島の名物を並べて縁起がいい」「古里の魅力がいっぱい。懐かしい」などと多くの感謝の言葉が寄せられた。鳴海さんは「生まれ故郷の素晴らしさをPRしたいと思って作っている。下準備は時間がかかって大変だが、みんなの喜ぶ顔を思い浮かべながら作業を楽しんでいる」と張り切っている。

 鳴海さんは“コンブ細工職人”の愛称を持ち、コンブとスルメを材料に宝船や新幹線の模型を作っては公共施設や小学校などに寄贈している。

 町内の有志とともに進めてきた一連の地域活性化活動が評価され、今年5月には高橋はるみ知事と道庁で対談。「道民の希望を乗せて走るコンブ新幹線です。道内活性化のために活用して下さい」と高橋知事と握手を交わす姿が新聞やテレビで報じられ、一躍ときの人となった。

 最近ではまちを歩くと、「今度は何を作るの?」「期待しているよ」と声を掛けられることもある。鳴海さんは「自分だけじゃなく、福島を大事に思う人たちの支えがあるからこうやって物づくりができる」と語る。

 今年は12月4日から製作に入った。午前8時から午後10時ごろまで作業し、「夜中に目が覚めたら30分でも1時間でもやっている。急がなければ正月までに間に合わない」と笑い、「学校の子どもたちにもウシ(来年のえと)のコンブを届けるんだ」と意気込む。

 18日までに縦40センチ、横20センチのものを120個仕上げた。町内の福島大神宮と、同神宮先代宮司が宮司代務者を務めた函館市の湯倉神社に届けた。 今は、仕事先でお世話になった水産加工場や漁師らに贈る正月飾り作りに懸命。妻のテツ子さん(66)も「近所の人たちも遊びにきたときに手伝ってくれるからうれしい」と笑顔を見せる。

 クリスマス前までにはすべて完成する予定で、鳴海さんは「今年一年、いろいろな人に助けられた。みんなに良くしてもらったこの恩を忘れずに、感謝の気持ちで届けたい」と作業に夢中だ。

update 2008/12/21 10:24
提供 - 函館新聞社


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