最低制限価格を導入…函館市、1月から
函館市は来年1月から、学校給食調理や庁舎の清掃などの業務委託契約で、入札時に最低制限価格を導入する。給食調理業務などで予定価格を大幅に下回る落札が相次ぎ、契約の履行や労働者の雇用環境の悪化が懸念されるため。最低制限価格は予定価格の75%を予定し、これを下回る入札は無効となる。
市の業務委託は電算処理や設備の保守などさまざまあるが、今回、最低制限価格を設けるのは人件費の割合が高い業務。市調度課によると、建物の清掃や警備、給食調理業務で、予定価格50万円以上が対象。
このほど開かれた市議会総務常任委員会でも取り上げられ、委員が「学校給食調理業務では予定価格の53%で落札された事例があった。これだけ安い価格で労働者の雇用環境を守れるのか」と質問。市財務部も、過度の競争により低価格で落札者が決まる事例が増加していることを認め、「人的要素が高い委託業務に最低制限価格を導入し、契約内容の適正な履行や従業員の適正な労働環境の確保を図るとともに、ダンピング行為を排除したい」と答えた。
一般的な業務委託の契約は3年間。入札参加業者には労働関係法令の順守などを確約させ、落札者には積算の内訳書の提出を求める。最低制限価格の基準となる予定価格は公表していないため、業者は業務内容や人員配置などを基に独自に積算することが必要となる。
函館市では本年度、指名競争入札を廃止し一般競争入札に切り替えたところ、小規模工事を中心に多くの業者が最低制限価格で入札し、くじで落札者を決める事例が頻発。工事の品質や労働者の雇用環境悪化が懸念されたため、9月から最低制限価格の事前公表を廃止した。同価格の算定方法も改めたところ、落札価格は従前より1割ほど上昇したという。
提供 - 函館新聞社
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