福島千軒 山中に謎の穴
【福島】福島町千軒地区の町活性化センター「あずまーる」近くの山に、トンネル状の人工的な「謎の穴」が多数見つかり、地域の話題になっている。同町千軒418の笹島義弘さん(73)が発見し、郷土史研究家らが現地を視察したが正体は不明。笹島さんは「地域の人も誰も知らなかった不思議な穴。雪解けの来春にはまだまだ見つかるかもしれない。専門家に調査をしてもらいたい」と話す。「こんなに穴を掘るのは多くの人手を必要としたはずで、大事業として後世に伝わるはずだが、誰も知らないし資料もない。かなり古い時代に掘られたのではないか」と推察する関係者もいる。
場所は地域住民が「綱配川(つなはいがわ)の峰」と呼ぶ山の尾根付近。傾斜地に直径1メートルほどの入り口があり、ほぼ水平方向に掘った形跡が残っている。2、3メートル間隔できれいに穴は続き、4メートルの長い棒を中に差し込んでも空間があることから、相当の奥行きがあるとみられる。
笹島さんは千軒で生まれ育ち、「森の名人」の愛称を持つ。多くの穴は雪解け後の今年6月上旬に見つけた。旧福島町立千軒小学校に通学する裏道で、子どもたちの自然観察林としても利用される場所。笹島さんも幼いころから良く散歩していたが、「前から2、3個あったのは分かっていたが、まさかこんなに出てくるとは思わなかった。驚いた。まだまだあるのでは」という。これまでに30個の穴を確認している。
現場付近は江戸時代初めから砂金掘りで栄えた歴史があるが、知内町郷土資料館の高橋豊彦学芸員によると、砂金掘りの場合は垂直(すり鉢状)に穴を掘り進むことが多く、トンネル状のこの穴は砂金掘りの跡ではない確率が高いという。
10月に笹島さんと現地を視察をした元松前町文化財担当で現松前城史料館長の久保泰さん(62)は「初めは砂金掘りの跡だと思って軽い気持ちだったが、実際に見てびっくりした」という。炭焼きも盛んだった場所だが、「炭焼き窯にしては規模が大きい。防空壕(ごう)でもなく、初めて見る穴。専門的に調査をしてもらわなければ分からない」と首をかしげる。
現地を見た町民は、近くに松前藩時代に処刑場があったとされていることから、「ろう獄や留置場の跡ではないか。監視役ががけの下から上を見れば、すべて見渡せる」とし、「墓なら下に掘る。横に掘っているので何らかの理由で人間が入っていたのではないか」と推測している。
提供 - 函館新聞社
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