道新幹線、札幌―長万部間 着工へ/政府、与党合意
政府、与党は16日、北海道新幹線の未着工部分(新函館―札幌間、211キロ)のうち、札幌―長万部間(124キロ)を09年末までに部分着工することで合意した。残る新函館―長万部間(87キロ)については新八雲駅部の設計に着手する。同じく北陸新幹線の金沢―福井間、九州新幹線の諌早―長崎間の新規着工も決まり、3区間の部分着工にかかる費用は1兆円超と試算している。来年度予算に調査費などを計上する。
今回の合意内容は、道関係者が切望していた新函館―札幌間の全線認可には至らなかったものの、札幌延伸に向けての大きな前進となった。函館市の西尾正範市長は同日、「道新幹線の全線開業に向けて大きな一歩を踏み出したと受け止めている。新青森―新函館間の早期開業を目指すとともに札幌延伸に向けた着工が確実となるよう、全力で取り組んでいきたい」とのコメントを発表した。
ただ、建設財源は6000億円程度しか見込まれず、今後どう財源をねん出していくかが課題。また「整備方式は要検討」の文言が付け加えられており、関係者から不安の声も上がっている。これは最高時速200キロ程度のスーパー特急方式による整備の可能性も示したもので、これまでフル規格を想定していた時間短縮効果が見直しとされる可能性も出てくる。
これに対し函館市の幹部は「九州新幹線ではスーパー特急方式で整備をスタートし、後からフル規格に格上げされた例もある。まずは着工されることが大事」と語る。
一方、道の幹部は「道民の願いはあくまでも東京から札幌までをフル規格で一本につなげることだが、現在の経済情勢を考えると今回の決定は納得しなければいけない内容。今後も全線開通に向けて粘り強く働きかけていきたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。