未来大で「生け花」展示会
公立はこだて未来大(函館市亀田中野町、中島秀之学長)で、新時代の生け花を紹介する「花・四季の形とリズム展」が19日まで開かれている。同大華道部学生のコンピューターや映像を駆使した「インタラクティブ・アート(参加型芸術作品)」と、小中学生の生け花とのコラボレーションが展開され、来場者の目を楽しませている。
同部は昨年4月に発足。学生たちは池坊函館中央支部の野呂さとみさんの指導を受け生け花を学ぶとともに、同大の木村健一准教授のアドバイスを受けながら、デジタル技術を取り入れたインタラクティブ・アートの世界による新時代の生け花のデザイン研究を進めている。
今回は、学生の作品を一般に初めて紹介する機会で、野呂さんが指導している「池坊花と遊ぼうキッズ講座」に所属する小中学生の力作も展示。映像を通じて表現される、時間を越えた仮想空間の生け花世界と、現実に咲き誇る生花が共鳴している。
インタラクティブ・アート部門には、ユリが開花して枯れるまでの画像を動画処理して壁面に投影した「Flowers interactive pictures」や、床面に置かれた本物のプラタナスの枯れ葉の上から画像を投射し、葉が動きまわる様子を再現した「かれは/リズム」など独創的な作品が登場。来場者の動きによって映像が変化するなどの仕掛けもあり、作品との一体感を楽しめる。
子どもたちは、バレエのシューズを使った「プリマドンナ」や、ケーキとワイングラスで華やかに彩った「Happyなクリスマスパーティー」など、伝統的な生け花の枠を飛び出した新鮮でインパクトの強い作品を出品している。
木村准教授は「日本の伝統芸術である生け花はこれまで、学問との縁が薄かった。映像やコンピューターを使うことで新たな表現の可能性が広がることを理解してもらえれば」と話す。また、同部の横窪安奈部長(情報アーキテクチャー学科3年)は「子どもたちのアイデアあふれる作品から新たな刺激を受けたので、今後はさらに生け花の新たな可能性を追求していきたい」と意欲を見せる。野呂さんは「これからの生け花も伝統に縛られず、新たな表現方法を探る時代。学生たちにとってもこどもたちにとっても今回が新たな出発点となってくれればうれしい」と期待している。
午前10時から午後6時半(19日は同4時)まで。入場無料。問い合わせは木村准教授TEL0138・34・6131。
提供 - 函館新聞社
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