レイモンさんの生涯 一冊に…20日に出版
函館市元町でハム・ソーセージ製造販売「函館カールレイモン」を創設したドイツ人職人、カール・レイモンさん(1894―1987年)の生涯を追ったノンフィクション「大きな手大きな愛―“胃袋の宣教師”函館カール・レイモン物語―」が20日、農山漁村文化協会(農文協、東京都港区)から出版される。著者のノンフィクションライター、川嶋康男さん(58)=札幌市清田区在住=は「手作りハム・ソーセジの普及に捧げたレイモンさんの誠実な生き方を子供たちに知ってほしい」と話している。
川嶋さんは2年前、函館市内の居酒屋で同社の「レイモン・サラミ」を食べて感激。「こんなうまいサラミを作る人の生き方を知りたい」と、レイモンさんに興味を抱き取材を始めた。レイモンさんの弟子だったという同社の島倉情憲社長(60)をはじめ十数人から話を聞き、レイモンさんの実像に迫った。
著書では駆け落ちして結ばれた函館生まれの妻、コウさん(1901―97年)への愛情や、戦時中に迫害を受ながらもハム・ソーセジを作り続けた前向きな姿、食料自給率を高めるプラン、道内での畜産業振興を道庁に提案したことなどを紹介している。
小学高学年の児童にも分るように平易な文章でまとめられている。川嶋さんは「取材をして、生き方にぶれがなく、侍のような潔さを持った人と感じた」とし、レイモンさんが生きていれば「職人としての夢や哲学を聞きたかった」と話している。
島倉社長は「私自身もレイモンさんからよく言われた『手抜きをするな』という教えが、子供たちにも伝わるのでは」と期待している。
全国の主要書店で販売する。定価1418円。A5判145ページ。問い合わせは農文協道支部TEL011・271・1471。
提供 - 函館新聞社
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