笑顔満開 ウシの舞…梅谷さん 干支の連だこ制作進む

 日本凧の会会員で、創作凧研究所「創作凧治工房」を主宰する函館市山の手3の梅谷利治さん(79)は、来年の干支(えと)の丑(うし)の連だこの完成を目指し作業を進めている。干支の創作たこでウシを作るのは“3代目”。顔は笑顔で、獅子舞ならぬ「ウシ舞」をイメージしており、“12頭”を連ね大空を“乱舞”させる。元函館東高校美術教諭で創作たこ暦40年以上の梅谷さんは「教え子たちや市民の皆さんに、80歳を迎える自分はまだ燃えているところを見せたい」と意欲満々だ。

 梅谷さんは、干支の創作たこ作りを1976年の「辰(たつ)」から始めた。2001年から05年まで中断したが、現在も1月のたこ揚げを終えてからすぐに作業にかかる。「どのようにして後ろのたこに向けて風を逃がすか」をテーマに工夫を凝らす。

 今回はウシの顔の後方で、幅65センチ、高さ80センチの前足と後ろ足を作る際、ほとんどは竹ひごで合成紙の形を作ったが、下の部分だけはピアノ線を使った。この部分から後方に風が逃げるという。両足の間に側道と名づけた胴体部分をつけてH型にし、風の流れを整える。1頭の長さは約1メートル。「胴がなくてはかわいそうで、まさに連結立体と呼べるウシになった。7頭の連結は実験済みで、12頭でも空で跳ねてくれる」と話す。

 顔のデザインを考えるとき、24年前に作った「天牛一世」、12年前に作った同二世を見たが、両者は勇ましい顔つきで「孫の代は顔を変えたい」と、8月ごろに笑顔のウシのデッサンが完成。大きく開けた口はハート型。「ウシの笑顔を想像したら不気味で、愛らしくするのに苦労した」と振り返る。シルクスクリーン技法で兄弟分を作り、赤や緑などの色を付けた。だが、何か物足りなさを感じた。

 顔のイメージが完成したころ、北京五輪の開会式を見ていたとき、聖火台に中国伝統の「祥雲」という唐草模様のような絵柄があるのを見て獅子舞を思い付き「ウシ舞」の形作りに取り組んだ。唐草模様の人の足を両足部分に付け、後ろ足部分の裏面には尾をつけた。さらに現在は、顔の部分にビニールで前髪をつけている。「ウシに前髪はあるかどうかは不明だが、世界のどこにもないたこを作りたかった」と遊び心にあふれた創作の楽しさを語る。

 天牛3世は「笑福天牛」として完成する。「腹の底から笑い福を呼び、元気で平和な1年であってほしいと願い、ウシ舞を躍らせたい」。たこ揚げは来年1月5日の午前、同市内の緑の島(大町15)で行なう予定。

update 2008/12/8 10:02
提供 - 函館新聞社


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