富士海洋土木が海藻増殖ブロックでの実証実験開始へ
港湾・水産土木工事業の富士海洋土木(江差町中歌町、須田新輔社長)は、独自に開発した海藻増殖ブロックを用いた本格的な実証実験に乗り出す。天候状況を見ながら、早ければ29日に函館市根崎町の沖合に専用ブロック「マリンスパイダー」を設置。2年間にわたり、ガゴメ(トロロコンブの仲間)の生育状況や魚礁としての効果などについて定期的な調査を進め、実用化を目指す。
建設業者や海洋事業者などで構成する海藻増養殖技術研究会(会長・森川基嗣森川組社長)が2003年から砂浜での藻場造成に関する研究を実施。同研究会の一員である富士海洋土木がこのほど、海藻増殖ブロック開発の担当事業者として、函館地域産業振興財団(高野洋蔵理事長)の助成対象に選ばれた。
マリンスパイダーは、3枚のプロペラ型の台座に3本の丸い支柱を取り付けた形状。高さは2メートル、重さは5トンあり、波の抵抗をできるだけ和らげ、砂に埋まりにくい構造で、ブロックの上部には樹脂製で網目状の「ネトロンパイプ」を24本装着。直径9センチ、長さ60センチの同パイプ1本には、5ミリ程度に成長したガゴメの種苗をまんべんなく植え付けたひもを6、7本巻きつける。パイプはボルトに通したピンで止めているため簡単に着脱できる。
ブロックは1、3、6基の組み合わせで、水深8メートル、10メートル、12メートルに分けて計30基設置。これまでの実験では、水深10メートルでガゴメが無事に成長することが確認できており、作業効率を高めるため、より浅い海底でも対応できるかを見極める。ブロックの下でヒラメやカレイの稚魚が生息するか、相乗効果にも期待が掛かる。
須田社長は「漁協の力を借りながら、2年後には製品化にこぎ着けたい。一次産業を活性化できるよう、生産者と開発者の夢をかなえられれば」と事業の成功に願いを込めている。
提供 - 函館新聞社
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