知内ニラ 通年出荷目指す…生産組合

 【知内】知内町ニラ生産組合(石本顕生組合長、74戸)は知内特産野菜のニラ「北の華」の通年出荷を目指し、寒冷地に強い品種の試験栽培に取り組んでいる。寒さが増す11、12月はニラの“休眠期間”で栽培はきわめて難しいとされているが、石本組合長(55)は「一年を通して安全でおいしいニラを消費者に食べてもらうのがわれわれの夢。いつ実現できるか分からないが、冬でも元気なニラを育てたい」と意気込んでいる。

 「北の華」は幅広で柔らかくて甘みもあり、全国的に人気のブランド品。1971年春に町重内地区の農家8戸で始まったニラ栽培は品種改良を加え、73年に重内ニラ組合が6.4トンを初出荷した。

 86年には59戸に農家が増え、年間販売額も1億円を突破。以来着実に販売額を伸ばし、昨年10月には8億円の大台となり、今年は11月7日現在で8億6500万円(昨年同期比約4000万円増)を記録している。

 「本当に気を遣う」と各農家が声をそろえるように、ニラは寒さや日照状況などの自然環境の変化に敏感。冬季の試験栽培は今年、農家6戸が取り組んでおり、町重内65の大島貢さん(38)は「冬でもニラは育つが、『これが知内のニラ』と自信を持てる味までには至っていない。生産はお客さんとの信頼が命。組合員同士で情報交換をして改良に努力している」とし、ハウス2棟(約460平方メートル)で改良研究に励んでいる。

 試験はマルチシートと呼ばれる黒い保温ナイロンを土に張るなどし、自然条件に適した品種選びを進めている段階。新函館農協知内基幹支店(松岡守支店長)は「高品質なニラを育てるには精度の高い記録資料と経験が必要。農協としても全面的に協力したい」と期待を寄せる。

 同組合は生産、販売に限らず、地域貢献と商品PRにも力を入れている。15、16日には函館市民体育館で開催された日本バスケットボールリーグの公式戦に協賛企業として初参加。会場では「知内のニラでレラを応援だ!」と、ニラ束をモチーフにした応援道具(風船)1000組を来場者に配り、会場を盛り上げた。さらに、地元チームのレラカムイ北海道に「北の華」1年分(365束)も届けた。

 会場で声援した石本組合長は「『ニラ』『レラ』。呼び名が似ている分、親しみも強い。互いに努力して全国一を目指したい」という。「北の華」の年明け後の出荷は例年1月上旬。スーパーなどの店頭に並ぶのは同中旬の予定だ。

update 2008/11/28 15:42
提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです