看護師増員し患者確保…公立病院改革
函館市病院局は26日、市病院事業改革プランの素案を市議会民生常任委員会(佐古一夫委員長)へ報告した。市立3病院の経営改善化や患者に信頼される病院づくりを求める質問が相次ぎ、同局は「入院収益を上げることが欠かせず、看護師の増員や接遇の向上などで患者の確保を図り、病床利用率を高めたい」と述べた。民生委も「市政の最重要懸案」(佐古委員長)として、議会独自の提言を年明けにもまとめる。
市立病院で38億円の累積赤字を抱える函館市は、本年度に公立病院特例債(借金)29億2600万円の発行を計画している。経営健全化と特例債発行に向け、本年度内に改革プランを成案化する。素案では来年度から2015年度までの7カ年で病院事業の黒字化を目指す。
すでに実施している患者7人に対し看護師1人を配置する「7対1看護」について、市病院局の藤森和男管理部長は「サービスの向上や手厚い看護、診療報酬が上がるメリットがあり、看護師の人件費などを引いても年間3億7000万円程度の効果がある」と答えた。
函館病院の場合、1日当たりの入院患者は10月末時点で447人だが、看護師の増員を図ることで来年度は490人、2012年度には520人まで増やし、維持する計画を伝えた。
病院特例債の発行で不良債務の解消を図るが、実質的には借金の借り換えにすぎないことも指摘されている。病院事業会計には本年度、一般会計から19億6000万円を繰り入れる見込みだが、改革プラン素案では、来年度から繰入金が年間6―13億円増加する見通し。
複数の委員が「一般会計に依存しすぎで、収益を増やす努力が必要だ」と指摘。藤森部長は「医師の大幅増員など現実とかけ離れた改革プランは認められない方針のため、一般会計からの繰り入れに頼らざるを得ないが、経営改善を図り少しでも圧縮したい。改革プランも毎年、ローリングして改めたい」と述べ、理解を求めた。
提供 - 函館新聞社
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