中村さん夫妻 10年越しの結婚式
函館市在住の調理師中村大二さん(33)と小学校教諭の啓子さん(35)夫妻が24日、結婚10周年を前に市内の教会で結婚式を挙げる。花びしホテル(湯川町1)が創業60周年記念として企画した「式を挙げられなかった夫婦1組への結婚式プレゼント」に当選したためで、2人は「10年の歴史を振り返り、周囲で支えてくれた人たちに感謝の気持ちを伝える機会にしたい」と口をそろえる。あきらめていた挙式の夢―。花嫁の啓子さんの誕生日でもあるこの日、見守ってくれた両親らを前に新たな門出を誓う。きょう11月22日は「いい夫婦の日」。
中村さん夫妻は10年前、大二さんの故郷で、啓子さんの初任地となった奥尻町で知り合い、半年余りで入籍。啓子さんは「両親の承諾を得る前に2人で結婚を決めてしまい、一緒になりたいという気持ちだけで、当時は結婚式や披露宴のことを考えていなかった」と振り返る。
同ホテルの特別企画「あなたの夢が叶うなら」に応募したのは8月。新聞記事で企画を知り、挙式の指定日が啓子さんの誕生日だったことから、「誕生日に式を挙げられると思ったら感極まってきた」と啓子さん。胸の奥底にしまっていた挙式への思いが一気に芽生えた。
啓子さんは大二さんに秘密にしたまま、これまでの10年を振り返りながら応募用紙に「2人で支え合ってきたと思っていたけど、両親やきょうだいに助けられて今があることにあらためて気づかされた」とつづった。周囲への感謝の気持ちは日ごとに増すばかりだ。
大二さんは当選後に届いた書類で啓子さんが応募したことを知った。「11月24日は誕生日と挙式の二重の喜びが(啓子さんへの)いいプレゼントになる」と笑う。当日は身内だけを招くが、2人の両親やきょうだい全員が顔をそろえるのは初めて。市内の函館聖マリア教会で挙式後、同ホテルで食事会を開くという。
2人は来年1月に結婚10周年を迎える。互いの仕事の都合で一時的に離れて暮らさなければならない時期もあり、心のすれ違いが生じることも。その都度けんかをしては話し合い、いくつもの障壁を乗り越えた。「言葉で表さないと気持ちは伝わらない。夫婦というより、人と人として常にコミュニケーションを大切にしている」と夫婦円満の秘けつを語る啓子さんに対し、「2人が健康で一緒にいられることが何より幸せ」と大二さん。
「お父さんとバージンロードを歩き、ありがとうと伝えたい」と啓子さんは間近に迫った式に思いを込める。入籍当時、結婚式代わりに撮って以来、アルバムに収めっぱなしの大二さんのタキシード、啓子さんのウエディングドレス姿が、10年の時を経てよみがえる。
提供 - 函館新聞社
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