鉄くず相場下落、旧ドツク跡地 値下げか

 鉄スクラップ価格が急激に下落し、大型クレーン2基がある旧函館ドック跡地の売却計画に影響を与えそうな情勢になっている。所有する函館市土地開発公社が函館どつくに売却する計画だが、市は解体手数料と解体後の売却収入を相殺した金額で売り渡す。鉄くず相場はこの4カ月程度で6分の1以下に下落しており、市は全体の売却価格を減額しなければならない雲行きだ。

 例えばドック跡地全体(12万6000平方メートル)で土地や建物の価値が10億円あるとする。クレーン解体費が5億円、鉄くず売却益が2億円とすると、3億円を差し引き7億円で売り渡すことになる。鉄くず価格が下がれば、市は売却価格を引き下げなければならない。

 9月の定例市議会で可決された補正予算で、ドック跡地全体の売却価格は5億4100万円。市財政課は「スクラップの売却価格は、鉄くず相場下落前の価格で試算した。相場が大幅に下落しており、今後の売却価格が大幅に変動する可能性がある」と語る。

 鉄スクラップ業者と商社でつくる日本鉄リサイクル工業会(東京)によると、今年7月ごろは1トン7万円を超えていた価格が、10月末には1万1000円程度に下落したという。

 同会北海道支部によると、道内の鉄スクラップ生産は年間100―110トンほどあり、約7割が道内の製鉄所などで消費される。「鉄需要の冷え込みから、業者は高い値段で購入した鉄くずを売るに売れない状態。製鉄所が鋼材などの製品に仕上げても需要が少なく、厳しい状況」という。

 大型クレーンは2基で約4000トン。単純計算だが、鉄スクラップ相場が1トン7万円の場合は2億8000万円の価値があったが、1万1000円では6分の1以下の4400万円にしかならない。

update 2008/11/22 23:30
提供 - 函館新聞社


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