生徒への指導を強化…高校生の大麻汚染 教育関係者に波紋
大麻の不法所持や栽培などで、北見市内の高校生が9月に摘発されたのに続き、旭川市内の道立高校定時制の男子生徒らが18日、大麻取締法違反容疑で逮捕された。こうした少年たちの大麻汚染の実態は、渡島管内の教育関係者にも波紋を広げている。函館市内では早速、生徒指導に乗り出す高校も出てきた。
函館市内では2006年10月に高校の男子生徒らが同法違反で逮捕されている。この事件を契機に06、07年には渡島教育局などが生徒会対象のシンポジウムを開いたほか、各校で薬物乱用防止を訴える講演会などを開催して啓発に努めてきた。
今回の一連の事件を受け、市立函館高校では20日朝、森武校長が「薬物の乱用はもちろん、1回でも許してはいけない」などと全教員に薬物防止の指導を徹底するよう呼び掛け、各クラスの担任が6時間目に生徒に説明した。今後、森校長が全校生徒に文書でも注意を呼び掛ける方針だ。河合宣孝教頭は「学校が率先して指導に当たるが、家庭や地域の連携も必要だ」と話す。
道教委は今後、「薬物乱用教室」をすべての公立高校で実施するよう指導しているほか、渡島教育局では本年度の生徒向けシンポジウムの開催も検討している。19日には道高校長協会渡島支部(支部長・黒田信彦函館中部高校長)が渡島管内の公立、私立高全29校に対し、指導徹底を求める文書を出している。
道警函館方面本部によると、管内の大麻取締法違反事件の検挙者数は06年が7件7人、07年が12件7人。08年10月末現在では5件3人。08年10月末の押収量は乾燥大麻は約17グラム、大麻草は約1200グラム。06年の事件以降、「管内で青少年の検挙事例はない」という。
函館市内の男子大学院生(25)は「(大麻などは)今は手に入れようとすればいくらでも手に入る。最低限のルールを守れないのは個人の責任だと思う」と説明。同市内の高校3年の男子生徒(18)は「身近に感じるのが怖いけど、好奇心もある。インターネットで仕入れたいと話していた友達はいた」と明かした。
渡島保健所によると、大麻は感覚が異常になり幻覚や妄想をが現れ、精神錯乱を引き起こす。「身体にとって大変危険で習慣性を生じる」として、乱用の危険性や野生大麻の撲滅を訴えている。
提供 - 函館新聞社
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