知事 対話姿勢打ち出す…支庁再編
【江差】道が進める支庁制度改革の前提となる公職選挙法の年内改正が見送られ、来年4月の支庁再編実施が困難となる中、強硬姿勢を貫いてきた高橋はるみ知事が、関係自治体などとの対話姿勢を鮮明に打ち出し、江差町の関係者からは「“軟化”の兆しが見え始めた」との声もある。再編に反対する道町村会(札幌)も知事サイドとの対話再開に意欲を示すなど、袋小路に陥った再編問題の打開に向けた動きが活発化してきた。27日開会の第4回定例道議会での高橋知事の発言、議論の行方に注目が集まっている。
高橋知事は8日、道庁で開いた「地域振興条例(仮称)」の検討懇話会で「不退転の決意で取り組んでいきたい」として、あらためて新年度の再編実施に向けた意欲を強調した。
その一方、公選法改正を先送りした自民党の判断に触れて「市町村長、とりわけ町村会との対話をしっかりとやっていくことが何より重要」と述べ、檜山など5つの支庁廃止地域に置く振興局の組織編成について「地域の懸案や産業特性などを踏まえながら、組織編成を大胆に考えていく」との方針を明らかにした。
また、16日に留萌市で開いた地元関係者との懇談会でも、現在の上川支庁に集約する予定の水産部門について、振興局になる留萌支庁に残すなどの柔軟な対応を検討する意向を示した。江差町の関係者は「軟化の兆しは見られる。ただ、真意は測りかねる。どこまで譲歩するのかは未知数」とし、定例道議会での発言を注視する構えだ。
知事サイドと道町村会の対立を懸念する自民党の大島理森衆院国対委員長は、党道連(今津寛会長)に対して、道町村会の意向を踏まえながら早期の事態収拾を指示。総額2兆円の定額給付金問題をめぐり、年明けの通常国会も紛糾が必至で、道がタイムリミットとする1月下旬までの公選法改正は「物理的に不可能」とする声もある。高橋知事の“変化”について、道町村会の関係者は「(再編問題で)町村会との和解は最低限のハードル」とした上で、「一定の譲歩が無ければ町村会は妥協できない」と語る。
一方、麻生太郎首相が国の出先機関の大幅な統廃合を進める方針を示したことで、本道では開発局の存廃問題が焦点になっている。ある道幹部は「開発局問題では知事と市町村長の共闘関係が必要。町村会との関係修復は喫緊の課題」と指摘。開発局廃止を“地方切り捨て”と批判する江差町の関係者も「行革を理由にした支庁廃止を進めながら、開発局の存続を訴えても説得力に欠ける。高橋知事は地方の目線は立ち返るべき」と訴える。
提供 - 函館新聞社
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