新聞紙 薪に変身…専用機器で圧縮 燃料代に一役

 【松前】燃油高の影響で暖房費の節約に努める家庭も多い中、灯油や薪(まき)に代わる“新燃料”が全国的に注目を浴びている。新聞紙などの燃やしても無害なリサイクル用紙を、専用機器で圧縮して固形燃料にする「紙薪(かみまき)」だ。環境保護にも一役買うアイデアで、松前町社会福祉協議会(町社協、塚俊一会長)ではシュレッダーで生まれた紙くずなどを活用し、いち早く紙薪づくりに取り組んでいる。塚田会長(82)は「大量に用意し、早ければ年末には地域の希望者に無償提供したい。少しでも燃料代を浮かすことができれば」としている。

 紙薪はちぎった紙を水に浸し、専用機器に入れてブロック状に圧縮したもの。薪ストーブの利用が多い欧米では古くから活用されていたという。

 松前町社協では、リサイクル紙の有効活用を図ろうと、佐々木正己事務局長ら職員が仕事の合間に紙薪づくりをしている。専用機器で圧縮して1週間ほど自然乾燥すると、重さ約4キロの燃料が完成する。松前町内では漁業作業場の小屋などにまきストーブが多く置かれており、佐々木事務局長は「まきの補助材として少しでも燃料節約になればと思って作っている」と話す。

 専用機器の中で最も普及しているのは「紙薪つくり器―紙与作(かみよさく)」(希望小売価格4500円)。今年4月から全国主要ホームセンターに並び始めた。製造特許権を持つ台湾企業から国内の代理販売を請け負うT&T(東京都、萩原輝久社長)が仕入れなどに当たっている。

 8月下旬に千葉県で開催された国内最大級のホームセンター商品展示会では環境保護部門で金賞、新商品ヒット部門では銀賞を受賞。各地のバイヤーの目に留まったほか、燃料高騰の影響も追い風となり、「北海道から沖縄まで全国から注文が入っている」(萩原社長)という。紙薪のサイズは長さ20センチ×厚さ10センチ×高さ5センチ。圧縮加減によって大きさは前後するが、新聞紙約20枚で1個できる。一般のレンガと形状はほぼ同じだ。

 自宅のストーブで紙薪を利用している塚田会長は「火持ちが良くなったことは確かで、古新聞の活用にもなっている」とし、「町社協としても地域福祉向上のため、紙薪の普及に努めたい」としている。

update 2008/11/18 11:23
提供 - 函館新聞社


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