振り込め詐欺防止へ高齢者宅を訪問
【厚沢部】全国で被害が深刻化する振り込め詐欺―。犯人から被害者への最初の接触は大半が電話で行われる。厚沢部町と江差署(芳賀政男署長)は14日、言葉巧みに送金を求める犯人からの働き掛けを電話口で断ち切ろうと、町職員と同署員が町内に住む65歳以上の高齢者1500人の自宅を1戸ずつ訪ね、居間などにある電話の前に、被害防止を呼び掛けるチラシを張り付ける「おいも豊作メークイン作戦」をスタートした。
正式の作戦名は「老いも豊かな安全まちづくり作戦」。地域の高齢者に幅広くPRしようと、通称名は「老いも」と町内特産のメークイン(おいも)の語呂を合わせて命名した。芳賀政男同署長は「全国で被害が減らない背景には、金融機関やコンビニのATM(現金自動預払機)で送金を防ぐ“水際対策”の限界がある。犯人から電話による接触があった時点で、かかわりを断ち切ることが被害抑止のポイントになる」と訴える。
この日は、町総務政策課の職員3人とともに、同署厚沢部駐在所長の高橋篤範警部補、館駐在所長の鯨井伸男巡査部長が町役場周辺の高齢者宅を訪れ、居間などにある電話機の前に、被害防止のポイントとともに、町や警察の連絡先が書かれたチラシを張り付けた。
ATMによる送金は警察が警戒を強化しているため、新たに郵便局の「エクスパック」が送金に悪用される手口も増えている。高橋警部補と鯨井巡査部長は、エクスパックの実物を持参して「これで現金を送ることは禁止されています。お金を詰めて送って欲しいという電話があれば間違いなく詐欺です」と丁寧に説明。訪問を受けた倉谷時夫さん(72)は「不審な電話が来たときはチラシを頼りに駐在所に連絡したい」と、真剣な表情でうなずいていた。
同町は本年度、道の防犯活動推進地区に指定されている。不審者による子供への声掛けなどの被害防止、住宅侵入や車上狙いといった身近な犯罪の防止に取り組んでおり、振り込め詐欺の被害防止にも、町と警察が連携して取り組むことになった。
提供 - 函館新聞社
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