「白菊会」歴史に幕…27日まで最後の俳画展

 函館市内の俳画同好会「白菊会」が会員の減少や高齢化などを理由に、前身の「榾火(ほだび)会」から数えて26年余の歴史に幕を閉じることになった。函館本町市場「市場の中の小さな美術館」(函館市本町31)では27日まで、最後の作品展が開かれており、主宰者の島谷吉治さん(92)は「最後になるのはさびしいが、上手下手を問わず、楽しんで活動してきた雰囲気を感じ取ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 「榾火会」は俳句会「虎落笛(もがりぶえ)」函館支部(解散)の会員20人で発足し、約20年間にわたって活動。当時の主宰者が脱退したため、6年前に島谷さんが主宰して「白菊会」を立ち上げ、活動を引き継いだ。

 現在会員は7人で毎月1回、市総合福祉センター(若松町)で活動。島谷さんは「年に1、2回皆で旅行し、そこで見た景色などを描くのが楽しかった」と思い出を振り返る。ただ、会員の平均年齢は70代。高齢化に伴い、足の痛みや手の震えで絵筆が持てなくなる人も出始め、活動が困難になり、今展限りで解散することにした。今後は同じ顔ぶれが参加する俳句会「海峡」(島谷さん主宰)の活動だけを継続するという。

 最後の作品展に向け、冬を題材に10月に制作した作品17点を出展。会員が思い思いに描いたカキや雪山、落葉などの絵に冬の一句を添えた短冊、色紙が並ぶ。日本画に使われる顔彩のみずみずしさ、略筆のさらりとしたタッチで描かれた俳画の魅力が表現されている。島谷さんは「簡単に略して描けるのが俳画の面白さ。長い間活動してきたが気張らず気ままにできて楽しかった。解散しても死ぬまで筆を持ち続けたい」と意欲を見せる。

 会員の山本武雄さん(75)は「白菊会 解散寂(さび)し 秋の暮れ」との俳句でさびしい気持ちを表現。同じく会員の武田敏光さん(73)は「皆で切磋琢磨し合って作品を作ってきたのでさびしくなるが、これからも個人的に続けるつもり」と話している。

 作品展は午前10時―午後6時(最終日は同4時まで)。

update 2008/11/12 11:35
提供 - 函館新聞社


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