【インサイド・森町談合】湊被告も有罪の公算大

 森町の消防防災センター建設工事の指名競争入札(2005年9月執行)をめぐる官製談合事件で、競売入札妨害(談合)の罪で逮捕、起訴された被告7人のうち、前町長の湊美喜夫被告(80)を除き、入札に参加した準大手ゼネコンの東急建設札幌支店幹部ら6人の公判が10日までに終了した。函館地裁の岡田龍太郎裁判官は6人に懲役1年―10月、いずれも執行猶予3年の有罪判決を言い渡している(一部確定済み)。入札に関与した業者や仲介役、町の関係者ら15人の共謀の成立も認定しており、残る湊被告についても有罪となる公算が大きい。

 これまでの判決で、岡田裁判官は検察側の起訴事実をほぼ全面的に認めた上で、長年の慣例となっていた同町の「談合体質」と不正な利潤追及を計った東急建設の企業体質を厳しく非難した。

 公判では、検察側が「公共工事は地元業者に落札させたい」とする湊被告の意向の下、星組渡辺土建の元社長(56)が会長を務めていた町建設協会を中心に談合が進められてきたと指摘。問題の同工事も当初は星組が落札する予定で、別の2億8000万円規模の工事は同町内の業者Aが落札する取り決めがあり、元社長の働き掛けを受けた湊被告が「あんたとAでそれぞれやればいい」と談合を容認したことなど、事件の背景も詳しく示してきた。

 また当時、営業不振に陥っていた東急建設は同工事を落札するため、取り引きのあった函館市内の設備会社元社長(62)から、「町長に顔の利く男」として紹介された仲介役の男(60)に受注工作を依頼。仲介役は湊被告に「談合の事実を公表する」と迫り、共同企業体の組み替えや出資比率の変更など、同社が有利になるよう要求を続け、湊被告も町の元建設課長に指示したことなども明らかにした。

 仲介役は東急建設から受け取った工作資金1000万円の使途を「借金の支払いなどでなくなった」としたが、湊被告が入院した際に見舞金名目で計260万円を贈り、湊被告が受け取っていた事実も分かった。この仲介役の判決では、岡田裁判官が「執拗(しつよう)で強力な働きかけを反復し、狡猾(こうかつ)で悪質だ」と厳しく指摘した。

 湊被告の公判期日は現在未定だが、12月15日には2回目の公判前整理手続きが予定されており、検察、弁護側双方で争点がまとめられる見込みだ。

 裁判所が共謀成立を認定している以上、湊被告にも有罪判決が下される可能性が強い。一貫して事件に対して公の場での発言を避けてきた湊被告が、法廷でどのような供述を展開するのかに注目が集まる。

update 2008/11/11 13:43
提供 - 函館新聞社


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