縄文時代の盛土遺構再現 道路建設アピール…尾札部促進協
函館市南茅部地区の国道278号尾札部道路(尾札部―大船間14.75キロ)の建設促進を訴えようと、市と地元住民が7日、海岸から大船遺跡に石を運び、縄文時代の盛土遺構を再現する試みに取り組んだ。バイパス整備が物流や防災、交通安全のほか、世界遺産の登録を目指す縄文遺跡群へのアクセスに欠かせないことを強くアピールし、建設運動に弾みを付けた。
盛土遺構は、縄文人が使用しなくなった土器や石器などを丁重に廃棄して重なった地層。地元の8町内会や漁協、商工会、市で組織する尾札部道路建設促進地域協議会(会長・加藤詔三臼尻町内会長)が主催し約40人が参加した。
加藤会長が「観光振興や物流などから何としても道路が必要であることをアピールすることで、バイパスの大船までの延伸に結び付けたい」とあいさつ。参加者は大船遺跡から徒歩で海岸まで降り、大小約70個の石を集め、トラックで遺跡入り口に運んだ。大きなもので重さ約50キロあり、2人で担ぐてんびん(モッコ)のほか、直接抱えながら盛土遺構に置いた。
参加者は「縄文人の苦労が分かる」などと話し、重労働ながらも手際よく作業。市教委生涯学習部の阿部千春参事は「遺跡を地域の財産としてみんなで整備することで、世界遺産やバイパスの建設促進につながる」と語った。
同協議会事務局の市新外環状道路整備推進室の米谷富幸室長も「地域の安定した発展を遂げるための幹線が尾札部道路であるという、地域の熱意が伝わった」と話していた。
尾札部道路は尾札部―安浦間6キロが開通済みで、鹿部方面に延伸工事が進められている。
提供 - 函館新聞社
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