歴史、交流の深さ強調 ロシア外相が函館訪問…「ロシアセンター」開設

 ロシアのラブロフ外相が4日、日ロ交流150年の歴史を刻む函館市を訪れ、旧ロシア領事館や函館ハリストス正教会などゆかりの地を視察した。元町14のロシア極東大函館校では「ロシアセンター」の開設式典に出席。「函館とロシアの深い歴史的な関係から、ロシア語圏以外で初めてこの地にロシアセンターを開設した」と函館を選んだ意義を述べ、交流をさらに発展させていく考えを示した。

 ロシア外相の北海道訪問は旧ソ連時代を含めて初めてで、午前10時すぎに政府専用機で函館空港に降り立った。極東大函館校では強風が吹き、時折みぞれが降る天候の中、大勢の来賓が出迎えて開設式典が行われた。

 ラブロフ外相は「ロシアセンターは通常、首都や大都市に開設されるため、この意義は大きい。函館の皆さんにロシアの文化や言語を伝え、交流促進につながることを期待する」と述べた。高橋はるみ知事も「外相の来道に心からお礼を申し上げる。ロシアセンターの開所で両国の相互理解や交流が促進される」と期待した。

 7月の北海道洞爺湖サミットでメドベージェフ大統領の来函が期待されたが実現しなかったため、西尾正範市長の喜びもひとしお。日本で初めてのロシア領事館が開設され150年の節目にロシア外相を迎えたことに謝辞を述べ、「文化、教育、経済などで交流を深めてきた。今後もさまざまな活動を通じて友情をはぐくむことができるよう、大いに貢献したい」と意欲を語った。

 外相、知事、市長と極東大のクリロフ学長の4人でテープカット。引き続き校舎内に開設したロシアセンターで、ロシアの儀式「成聖式」を行った。ロシア政府系基金が2600万円を負担して整備したセンターは、白い壁に赤を基調としたデザインで、書籍やDVD、CD、雑誌など1300点を備える。パソコンのほか、将来的にはロシアのテレビ放送を受信する大型テレビも配している。

 ラブロフ外相は同日開かれた市民との交流会で、日本の地方都市で培われてきた日ロ友好の歴史とともに「市民の心からの友好や好意的な気持ちが印象に残った」と語った。

 外相は5日、東京都内で中曽根弘文外相と会談する。

update 2008/11/5 10:18
提供 - 函館新聞社


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