ロシア外相「両国友好のシンボル」…旧領事館整備の協力検討

 4日に来函したロシアのラブロフ外相は、函館市が再整備を計画している旧ロシア領事館(同市船見町)について「復元に協力する可能性を検討している」と述べ、何らかの支援を考えていることを明らかにした。西尾正範市長もロシア側と協調して旧領事館整備を進める考えを記者団に伝えた。旧領事館整備の費用は概算で3億円以上。

 ラブロフ外相は末広町の五島軒本店で開かれた「市民交流会」でスピーチ。市民の歓待を受け、長い交流の歴史が伝わるとした。1908年に建設された旧領事館については「重要な建築物というだけでなく、両国民の友好のシンボル。両国が未来志向のパートナーシップを発揮していく上でも重要」と位置付けた。

 また、「政府間交流は欠かせないが、地方や市レベルでの交流の拡大にも関心を持っている」とし、函館市が姉妹都市提携しているロシアのウラジオストク市やユジノサハリンスク市との今後の交流拡大にも期待を寄せた。

 領事館復元に向けたロシア側の姿勢について、西尾市長は「支援という言葉をいただいたが、具体的な内容は決まっていない。モスクワの方からいろいろな話が出るかもしれないが、在札幌ロシア総領事館や極東大と内容を詰めていきたい」とした。将来的には復元後の旧領事館へロシアセンターのほか、札幌総領事館函館事務所を移転する考えを示した。

 交流会に出席したロシア領事館復元活用の会の工藤玖美子代表(67)は「外相が旧領事館復元についてきちんと考えてくれていることが分かった」と安Gヒ(あんど)した様子で、「歴史を感じられる施設として活用してほしい」と望んだ。

 函館日ロ親善協会の倉崎六利会長(79)は「1989年の協会創設から歴代の会長、会員の友好への尽力、150年の歴史の積み重ねが結実し外相の訪問となった。ロシアという国が函館に目を向けていることがありがたい」と感慨深げに語った。

 市民交流会には極東大や友好団体、経済界、市議会関係者ら約60人が出席した。


 ラブロフ外相の訪問に伴い4日、函館市内は一部の道路で交通規制などが行われた。要人警護のため警察官が街角に立つなど物々しい雰囲気となり、市民や観光客が遠巻きに様子をうかがう姿が見られた。

 元町町会では市から依頼を受けて、4日に交通規制があることを知らせるチラシを事前に住民に配った。上野伊和夫会長代行(75)は「外相や一行の行列は見られなかったがたくさんの警察官を見た。何事もなくよかった」と話した。五島軒本店付近で要人警護の様子を目にした末広町の佐々タツさん(83)は「自分には関係ないと思って気にせず出掛けたが、様子が仰々しかった」と驚いていた。

 市役所周辺には政治団体の街宣車も走ったが、目立った混乱はなかった。

update 2008/11/5 10:18
提供 - 函館新聞社


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