「にしん街道」標柱14基に
【島牧・江差】江差・上ノ国・松前の3町観光協会でつくる北海道歴史倶楽部(会長・打越東亜夫江差観光コンベンション協会長)が、ニシン文化が道南から道北までの日本海沿岸を北上した道のりを「にしん街道」と名付け、街道のシンボルとして2004年に設置を始めた標柱がこのほど、檜山管内を中心に11市町村で計14基に達した。同倶楽部は今後、戦後までニシン漁が栄えた道北への設置も進める方針だ。
14基目の標柱が設置されたのは後志管内島牧村。道の駅「よってけ島牧」の構内に、高さ2・6メートル、直径45センチのヒノキアスナロ(ヒバ)を使った標柱が設置された。28日に行われた除幕式には、打越会長、疋田清美松前観光協会長をはじめ、藤澤克島牧村長、堂坂良幸島牧村観光協会長らが出席した。
同日は旅行会社・シィービーツアーズ(札幌)の戎谷侑男社長が基調講演を行い、道内のニシン文化や炭坑遺産などを活用した新たな観光ツアーの展開事例などを報告。戎谷氏は「熟年層に支持される本物の旅が必要。地域に根差した素材を活用することで、その地域に人たちも元気付ける」と呼び掛けた。
同倶楽部は2003年、日本海沿岸に数多く残る「鰊(にしん)御殿」や倉庫建築など、ニシン文化がもたらした遺構をはじめ、ニシンを使った食文化、各地に伝わるニシン漁の様子を再現した「沖揚げ音頭」といった郷土芸能などの文化遺産を結び付けることで、新たな観光資源の創出を目指す「にしんルネサンス事業」をスタート。これまでに渡島、檜山、後志の3支庁管内で文化フォーラムや郷土芸能の発表会、現地に残された漁具の展示などに取り組んできた。
こうした活動とともに、街道のシンボルとして、沿岸市町村や観光協会などの協力を得て標柱の設置も進めている。設置は04年に上ノ国町からスタート。同町と江差町には2カ所ずつ、松前町、奥尻町、八雲町、せたな町大成区・瀬棚区、後志管内岩内町、積丹町、寿都町、石狩市厚田区・浜益区には1カ所ずつの標柱を設けた。
打越会長は「今後は戦後を通じてニシン漁が栄えた留萌、宗谷と道北での標柱設置を進めたい。各地のニシン文化を結び付けることで観光ツアーなどの展開も期待できる」と話している。
提供 - 函館新聞社
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