道南虫の会が放チョウしたアサギマダラが愛知県で捕獲
「道南虫の会」(事務局・対馬誠さん)が羽にマークを記して松前町から放したマダラチョウ科のチョウ「アサギマダラ」が、愛知県幡豆町で捕獲された。アサギマダラは渡り鳥のように長距離を移動するチョウとして知られ、今回の移動距離は直線で約800キロになる。同会によると、道内から放ったチョウが津軽海峡を越えて本州で確認されたのは初めて。対馬さんは「放ったチョウで長距離移動する生態を実証できたことが何よりうれしい」と話している。
アサギマダラの移動調査は全国各地の昆虫愛好者らによって行われいる。同会は99年から実施していたが、これまで他地域で確認された例はなかった。
今年は松前町の大地茂さん(64)と福島町の清水和男さん(74)の情報をもとに、松前町勝軍山でチョウを捕獲。対馬さんと名越和夫さん(59)、小松利民さん(58)、井本暢正さん(55)の4人が9月下旬から10月上旬にかけて計63匹に「ハコダテ」などとマーキングして放していた。
今月19日、長野県飯田市在住で、信州アサギマダラ研究会の桜井正人さん(58)が幡豆町の三ケ根山で「ハコダテ」マークのアサギマダラを捕まえた。チョウは10月5日に井本さんがマーキングしたもので、14日間かけて南下したことになる。桜井さんはチョウの捕獲後、写真撮影してから再び放した。
会を代表し対馬さんが25、26の両日、捕獲者の桜井さんと対面し、三ケ根山の発見場所にも行き、感動を分かちあった。対馬さんは「14日で確認されるとは思っていなかった。800キロの移動はすごい。アサギマダラが全国を移動する証明になる」と喜ぶ。
捕獲した桜井さんは「北海道から飛来したチョウを見つけたいと思っていたので、マークを確認したときは驚いた。対馬さんとも知り合え、アサギマダラは人との結びつけをするチョウだと実感した」と話した。
同会などによると、これまでの最長移動距離は2006年の山形県から沖縄県までの約2600キロ。
提供 - 函館新聞社
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