北大水産科学館50周年で無料公開

 北大水産学部(函館市港町3)構内にある水産科学館が今年、創立50周年を迎えた。貴重な骨格標本をはじめ、魚類の標本、海鳥や海獣のはく製、漁具や和船など、水産都市・函館をうかがい知る「生きた教材」を無料で公開している。館長の矢部衞教授(56)=魚類系統分類学=は「海の情報や水産科学研究を市民に紹介する窓口。ぜひ見学に訪れて」と呼びかけている。

 前身は1958年に開館した水産資料館。水産学部の同窓会が整備し、2007年に北大総合博物館の分館に位置付けられ、水産科学館に名称を変えた。

 別館に入ると全長14・7bのニタリクジラの骨格標本がある。30年前に水産庁が南太平洋で調査捕獲したもので、学術的にも非常に貴重という。シャチやセイウチなどの骨格標本もあり、はく製ではトド、アザラシ、ペンギン、カモメなどが並ぶ。

 第一標本室は魚類約500種を展示。サメやエイ、アンコウなどは水槽にホルマリン漬けにされ、見学しやすい。アンコウの仲間、ビワアンコウのメスに、非常に小さなオスが寄生しているユニークな標本もある。世界のシャークアタック(サメの攻撃)事故や、水産学部の研究者が発見した新種の魚類などもパネルで紹介している。

 第二標本室は、和船の模型や漁具、釣り針などを展示。1908年(明治41)年に小樽で開かれた北海道水産共進会に出展した和船の模型だけで20隻以上ある。「今は設計図もなく、プラモデル会社が構造を確認するため調査に訪れます」と矢部館長は説明する。第三標本室はサンゴやべっ甲、貝類を使った細工品が並ぶ。かんざしやステッキ、くし、小物入れ、ボタンなどのほか、サメの革財布、ラッコの毛皮などもある。

 市民に十分知られていない面もあるが、水産学習の場として小中学生の見学もあるという。矢部館長は「見学者は全国からあり、地元小中学生を対象に随時、ミニレクチャーなどを開催しています。11月2日まではカジカのパネル展も開催中」と語る。

 開館時間は平日の午前10時から午後4時半まで。11月1、2日の土日も開館する。問い合わせは北大函館キャンパス事務部研究協力担当TEL0138・40・5613。

update 2008/10/31 12:52
提供 - 函館新聞社


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