長谷川さん昔のおもちゃ収集続ける
函館市美原に住む元小学校教諭の長谷川堅美さん(68)は、30年以上前から古い遊び道具などを集め続けている。竹細工やけん玉、お手玉、メンコ…。今失われつつある遊びを伝えようと、収集品を持って子どもやお年寄りの催しに出向き、実演などの伝承活動にも精を出している。長谷川さんは「昔の良き文化を残したい」と話している。
小樽市出身。父は模型飛行機やアイスキャンデー屋などを営み、長谷川さんは幼少時から、身の回りにある割りばしを使い、鉄砲を作るなどしてさまざまな遊びを楽しんでいた。
おもちゃ収集は、桧山管内のへき地校教員として働く1960年代、生活科の時間などで児童に遊びを教えることになったのがきっかけ。道具を集めて子どもたちと遊ぶ中、昔の遊びの良さを残したいと考えるようになった。39年間の教員生活を終えた後もその情熱は変わらず、フリーマーケットなどで買い集めている。
現在、自宅横の倉庫内に並ぶさまざまながん具は1500点を超える。中でも特に思い入れがあるのは「竹がえし」だ。4本の竹棒を歌に合わせて飛ばしたり、持ち手を変えたりする遊びで、函館では「竹尺(せんじゃく)」、小樽方面では「ガッキ」と呼ぶという。長谷川さん自身も幼いころ楽しんだ遊びで、記憶をたどって種類や手順などを文章にもまとめた。「手を使って集中でき、大人数で遊べるのが特徴」と話す。
長谷川さんは道南の各種イベントで、こうしたおもちゃの遊び方や作り方を披露。お年寄りの参加者は昔を懐かしみ、初めての子どもや大人も夢中になるという。
「病気に強いイメージがあり、元気な色」との理由から、長谷川さんは「赤」をラッキカラーとし、普段は全身赤い服を着て歩く。自宅に遊びに来る近所の子どもらからは「レッドマン」と呼ばれるほどの人気者だ。
長谷川さんは「昔の遊びは頭や体を使い集団で行うので、生きる力や人間性の醸成にもつながる」と話している。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。