大阪の老舗コンブ店夫妻が磨光小訪問
「南茅部のコンブは日本一」―。函館磨光小学校(加藤正男校長、児童138人)に29日、大阪の老舗コンブ店「こんぶ土居」の土居成吉店主(64)と妻京子さん(62)が訪れた。函館市南茅部地区産コンブの質の良さを伝えようと、同校児童と交流を続けて今年で10年目となる。昨年からは同校卒業生もいる南茅部高の生徒が修学旅行で同店を訪問するなど、コンブにほれ込んだ大阪の店主の地道な取り組みは着実に広がりを見せている。
大阪は全国有数のコンブ消費地で、中でも南茅部の「白口浜真昆布」は最高級品として知られる。1903年創業の同店でも取り扱うコンブの多くが南茅部産だ。土居店主は「漁師の人たちに誇りを持ってほしい」と、1982年ごろから同地区の漁師と交流し、99年からは同校にも来校している。今月には同店の4代目社長で、土居店主の息子の純一さんも初めて南茅部高校を訪れている。
この日、土居店主は5年生22人に「南茅部のコンブのおいしさを一緒に確かめよう」と呼び掛け、コンブだしを取って試飲。その後、そのだしを使って作ったお好み焼きを味わった。土居店主は「コンブ採りは大変だと思うが、皆の家族の心がコンブのおいしさの基礎になってる」などと語った。
幼いころから実家のコンブ採りを手伝う佐藤大吾君(10)は「自分たちが頑張ったコンブが大阪の人に食べてもらえてうれしい」とし、長谷川彩香さん(11)も「こんなにコクがあっておいしいとは知らなかった」と喜んでいた。
土居店主の活動を機に、南茅部高校の生徒らは昨年度から修学旅行の一環として同店を訪問。今年も22日、実家のコンブ漁を継ぐ予定の同校2年生5人が訪れ、消費の現場などを見学した。参加した高谷恵太君(17)は「南茅部コンブの質の高さを実感。自分も環境問題に負けない革命的なコンブを作りたい」と決意を新たにしていた。
土居店主は「地元のコンブの素晴らしさを知り、将来漁師を継ぐ時には誇りを持って取り組んでほしい」とエールを送っている。
提供 - 函館新聞社
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