金沢―釜山も今月末で休止…東日本フェリー
【金沢】東日本フェリー(函館市港町3、古閑信二社長)は28日、金沢―釜山(韓国)航路の国際定期フェリーの運航を10月末で休止すると発表した。韓国経済の低迷による集荷・集客の減少や、燃料高騰で収支が悪化したため。今年6月の就航からわずか4カ月余の運休決定で、同社によるフェリー運航事業は全航路で灯が消えることになった。
同社は10月中旬、石川県の港湾担当者に運休の意向を申し出ていたという。28日に金沢港に入港し、翌29日に釜山へ出港する便が最終便となる。同社金沢事務所の山谷和洋所長は「国際的な金融不安や燃料高が落ち着き、コンテナなど集荷のめどが立てば再開したい」としているが、先行きは不透明だ。
同航路は6月17日に就航。金沢―釜山間を約21時間で結び、これまで韓国の海運会社のフェリー(約1万4000トン)で週1往復運航していた。船の定員514人に対し、一けた台の旅客数だったこともあり、就航以来22日までの利用客は計18往復で約2800人にとどまっていた。
同社金沢事務所によると、同航路は年間11―12億円の売り上げを見込んでいたが、このままでは採算割れが続き、年間赤字が数億円規模に膨らむ見通し。韓国の急激なウォン安に伴い、特に釜山発の観光客の利用やコンテナ貨物の落ち込みが目立つという。
同社は9月上旬、道内と青森県を結ぶ函館―青森、函館―大間、室蘭―青森の3航路のフェリー運航事業から11月末での撤退を表明。青函航路の高速船も10月いっぱいで運休することが決まっている。今後は船舶貸渡業に業務を絞り込み、経営の効率化や赤字解消を図る。
提供 - 函館新聞社
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