衆院選に支庁再編の影響…自民離れに拍車も
【江差】衆院解散の日程に注目が集まる中、檜山管内では自民党支持者や保守系の町長・町議らが、道の支庁再編を後押する自民党道連(今津寛会長)への反発を強めている。支庁再編をめぐっては自民党政務調査会が21日、支庁再編の前提となる公職選挙法改正を開会中の臨時国会に提出しない方針を決定。党道連と市町村長との関係修復を強く促した。ただ、党道連や道議会自民党への不満は根強く、管内の党関係者からは「選挙体制が組めない」「党の対応を有権者に説明できない」と、選挙戦への非協力を示唆する声さえ上がっている。
自民党の衆院選道8区支部長に2006年、檜山管内ともゆかりの深い中村勉氏が就任した際、管内7町はいち早く後援会支部を立ち上げるなど“議席奪還”への機運が盛り上がった。高橋はるみ知事が再選を目指した07年の統一地方選でも、自民党支持者や保守系町長・町議が一丸となり選挙戦を下支えした。
ところが中村氏は本年3月に辞任。ある党関係者は「十分に戦える候補だった。渡島で飼い殺しにされた」と猛反発。さらに高橋知事が、管内の保守層に強い影響力を持つ寺島光一郎乙部町長が会長の道町村会(札幌)などの反対を押し切り、支庁再編条例を道議会に提案したことで、過去の国政選挙や知事選を支えてきた熱心な自民党支持者や水産関係者などから「道連と高橋知事に裏切られた」(保守系町議)との不満が爆発した。
自民党が中村氏に代えて擁立した前参院議員・福島啓史郎氏は、支部長就任直後から、管内の自民党支持者を回り熱心に支援を求めている。だが、民主党が逢坂誠二衆院議員の後援会事務所を江差町に開設するなど臨戦態勢を取る一方、管内の自民党支部に目立った動きは無い。
自民党政調会が「衆院選を前に最大の支持基盤である市町村長との関係修復が先決」とし、公選法改正案を“塩漬け状態”としたものの、来年4月の新体制移行を目指す道の出方は不透明だ。支庁再編反対の急先鋒(せんぽう)の寺島乙部町長は「党道連や道議会自民党は支庁問題を総括すべきだ。地方を冷遇する政策を取るなら誰も選挙体制は組めない」と党関係者にくぎを刺した。ある保守系町議も「檜山に目を向けない自民党のために汗を流す人はいない。今回ばかりは民主党に票が流れても仕方がない」と言い切る。
檜山管内はかつて道内有数の“保守王国”だった。管内北部の旧北檜山町は、自民党の佐藤孝行元衆院議員の出身地。無所属で出馬する二男健治氏への支持も根強い。管内の有権者は約3万9000人。05年の衆院選では民主票を約1200票上回ったが、07年の参院選比例票はほぼ互角だ。自民党の退潮に合わせるように新党大地も保守層に浸透しており、自民党関係者は危機感を募らせている。
提供 - 函館新聞社
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