森町長に佐藤氏初当選

 【森】競売入札妨害(談合)罪で起訴された前町長の辞職に伴う森町長選挙は19日、投開票が行われ、無所属の新人で会社役員の佐藤克男氏(58)が4435票を獲得、前町議の松田兼宗氏(52)=無所属新人=を272票の小差でかわし、初当選した。前副町長の阿部真次氏(66)=同=は伸び悩んだ。投票率は2005年の前回を1・00ポイント下回る74・40%だった。

 1971年から10期37年務めた現職町長の逮捕、辞職を受けた新人による三つどもえの戦いで、町民の関心も高まった。国保病院の経営健全化を含む行財政改革と、前町政の継続か刷新かが大きな争点となった。佐藤氏と松田氏は町政刷新を、阿部氏は町政の着実な遂行を訴えた。

 佐藤氏は民間経営者の才覚を町政に生かすことを掲げ、町政の信頼回復と、町の出直し・再生を訴えた。出馬表明が3候補の中で最も遅れたが、しがらみのないまち、産業経済の活性化、高齢者福祉の充実、森町を売り込む「セールスマン」として活躍する公約が浸透し、急速に支持を広げた。

 公開討論会やお茶懇、総決起集会などで知名度を上げ、人材育成や町内企業の上場など民間人らしい発想が町民の好感を呼んだ。長期政権を批判し、2期8年までとの主張も評価を上げ、前町政の批判票の取り囲みに成功した。

 松田氏は前町長と戦った過去2回に続き3回目の出馬。役場改革を掲げ、ガラス張りの町政と住民参加のまちづくりを訴えた。産業の活性化と定住促進、学童保育の充実や救急医療体制の維持など「安心して働ける福祉社会」などを公約に掲げたが、佐藤氏に票を奪われた。

 阿部氏は漁協や農協、町内会などから推薦を受け、41年間の行政経験と知名度を生かし、産業経済や保健・医療・福祉の充実など5本柱の政策を訴えた。前町長の事実上の後継候補で、町職員OBが後援会幹部を務め、組織型選挙に臨んだが及ばなかった。

 当選した佐藤氏は1949年、森町生まれ。森高校を卒業後、上京。サラリーマンを経て横浜市に株式会社太陽ハウスを設立し、現在は同社取締役。

 三つどもえの町長選は1983年以来25年ぶり。当日有権者は1万5370人で、投票者は1万1436人。投票率は74・40%だった。

 佐藤氏は20日午後1時半、町役場で町選管委員長から当選証書を受け取る。

update 2008/10/20 10:11
提供 - 函館新聞社


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