鷲ノ木遺跡、環状列石と同年代の竪穴式住居跡発掘
【森】文化庁が9月、世界文化遺産候補に加えた「北海道・北東北の縄文遺跡群」に含まれる史跡・鷲ノ木遺跡から、道内最大の環状列石(ストーンサークル)と同年代の竪穴住居跡が初めて、発掘された。本年度の森町教委の調査で明らかになったもので、住居跡は少なくとも直径4b。町教委は「当時の環境を知る重要な手がかり」とし、年代測定を急いでいる。
このストーンサークルは2001年、道縦貫自動車道建設にかかわる発掘調査で発見され、道内では最大級、全国でも3番目に大きい。縄文時代後期(約4000年前)と推測され、竪穴墓域(共同墓地)も発見され、祭祀(さいし)に使用されたと見られている。。
町教委は03年から調査を進め、本年度は5月から16カ所を調査。8月末、ストーンサークルから東に50メートルの付近で、くぼみを見つけ、掘り進めると、石で囲まれた炉跡(かまど)を発見。同年代の地層が同個所では途切れていたこと、縄文後期の特長の文様が入った土器が出土したことで、ストーンサークルと同年代の住居跡と推測した。。
本年度は、跡地全体の4分1を調査。町教委では今後、残っている炭などから炭素による年代測定を行うなどし、総合的に年代を予測する。町教委の高橋毅学芸員(31)は「非日常的な場所に、住居という日常的な跡が見つかったことで想像がふくらんだ。数世代、数十世代かけて作られたストーンサークル。先遣隊の住居、作業者の作業小屋、ストーンサークルの見張り小屋などの可能性もあるが、ストーンサークルとの関連は間違いないはず」としている。。
同調査の成果報告を含め、町教委は特別展「鷲ノ木遺跡群調査成果展」を28日から11月24日まで遺跡発掘調査事務所(森川町292)で開く。同展では、ストーンサークルの模型や鐸形(イカ型)の土製品が展示される。。
問い合わせは町教委TEL01374・2・2186。
提供 - 函館新聞社
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