森町長選・候補者に聞く…「情報公開・住民参加」松田兼宗氏(52)
【森】町発注工事をめぐる官製談合事件から発展した森町長選が14日、舌戦の火ぶたを切った。10期37年務めた前町長の逮捕、辞職という事態に、3候補は「公正、透明な町政」を訴える。告示前は「誰が町長になっても同じ」と冷めた町民の声も多かったが、選挙戦に入ると「この機会にはっきり意志を示さなければ、町は変わらない」と、意識にも変化が出てきた。
――出馬の動機は。
これまで2回(2003年、05年)出馬した流れと今回の事件を受け、「今、まちを変えなければ」と思った。知人や支援者からの「あんたしかいない」との声で「必要としているならば」と決意した。
――最も訴えたい政策は。
情報公開・住民参加」がまちづくりの基本。談合事件が起こらない役場の改革をまず早急に取り組みたい。一次産業の活性化にも着手し、現在ばらばらに取り組む水産・農業・商業をどう一体化するか。市場価格を調査した上で、道の駅の活用や森町の特産を並べるアンテナショップ、無駄を出さずに商品価値を高める方法も考えたい。
2015年の道新幹線新函館駅開業も見据え、観光のまちから定住したいまちへとするため、民間サイドの誘致や町有地の活用も考えたい。厳しい町財政では、無駄の部分をどうカットするかを考えた上で、三役や幹部職員らの人件費カット、民営化や指定管理者制度を見据えた政策に手を付けざるを得ない。
――有権者の反応は。
期待の大きさを感じる。お茶懇でもこれまでの選挙より多くの人が訪れ、より具体的な質問があがる。財政面については初めて聞いたという反応が多く、これまでの選挙でも訴え続けた「情報開示、住民参加のまちづくり」の方針が間違っていなかったことが分かる。町政について町民と対話する場が必要。
――前町長や事件について。
役場、議会、町民の責任を感じる。地道な手間と時間を掛け、広報や地域懇談会など、できるだけ町民が情報を知り得るチャンネルを作り、町民自らが考えるまちにしたい。
――松田町政の目指すものを一言で。
事務所にも掲げる「みんなで創ろうあったか“心”でまちづくり」。みんなでまちを作るんだという当たり前のことだが、危機にひんする中、基本的なこと。一緒に頑張ろうと訴えたい。
まつだ・けんそう 1956年森町生まれ。81年中央大文学部を卒業後、83年松田商店に勤務。99年店主となり同年町議に初当選。2003年、旧森・砂原町合併後の05年に町長選に立候補したがいずれも敗れ、07年に町議に再選、今年9月、町長選出馬のため辞職。
提供 - 函館新聞社
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