鈴木さん「2級ボイラー」合格…函工高定時制卒業後も意欲衰えず

 函館工業高校定時制(昆野茂校長)を2006年に卒業した函館市内の鈴木和惠さん(65)がこのほど、国家資格「2級ボイラー技士」の試験に合格した。卒業後も同校に通って講習を受け続け、3度目の挑戦で“春”をつかんだ。学びへの意欲旺盛な鈴木さんをずっと応援していた同校教員らも大喜び。鈴木さんは「定時制で学んだ経験を社会に還元したい」と、今後もさまざまなことに挑戦するつもりだ。

 2級ボイラー技士は、ボイラー業務に必要な構造や取り扱いに関する知識を認定するもので、ボイラーの大きさで2級、1級、特級の区別がある。

 鈴木さんは宗谷管内豊富町の中学校を卒業後、札幌の簿記関連の専門学校に進学した。結婚後、市内でのボランティア活動を通じていろいろな人と知り合う中、「もっと自分の知識を高めたい」と同校定時制への入学を決意。家事や仕事と両立させて4年間、建築科生徒として通い続けた。ボイラー業務に関心が沸き、4年生の時に初めて同技師の試験に挑戦した。

 60代からの学校生活について、「先生は親身で一生懸命な人ばかり。同級生とは孫ほど年が離れていたけど、自分も20代の感覚で接して楽しかった」と振り返る。最初の受験は残念な結果だったが、卒業後も学ぶ意欲は衰えず、同校機械科の盛田典男教諭(47)らのサポートを受けながら試験を受け続けることにした。

 今年も5月から週3日、同校で夜間講習を受けて7月に受験。合格の知らせを聞いた時は「信じられなくて感激した」という。盛田教諭も「鈴木さんのように卒業後も熱心な人は初めて。合格はすごくうれしかった」と喜ぶ。

 鈴木さんは在学中、複雑な事情から通学を断念したり、健気に勉学に励む子どもたちの姿を目の当たりにしてきた。こうした経験から、今後は市内で来春の開設準備を進めている夜間中学の協力など、いろいろなことに意欲的に取り組むつもりだという。鈴木さんは「これからは体力との勝負。ボイラー技士の1級にも挑戦したい」と話している。

update 2008/10/16 13:19
提供 - 函館新聞社


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