道南地域、25日からエゾシカ猟解禁

 道は7日までに、本年度の道南地域(渡島、桧山、後志管内)でのエゾシカ猟を25日に解禁することを決めた。同地域ではここ数年でエゾシカによる農業被害が激増しており、道は来年3月1日まで、3回に分けて可猟期間を設定し、捕獲による個体数の抑制を図る。

 道内のエゾシカは、乱獲などの影響で一時絶滅寸前まで激減したが、その後の保護政策で道東地域(網走、十勝、釧路、根室管内)を中心に爆発的に増大。1996年度には道内の農林業被害が50億円を突破し深刻な社会問題に発展した。道は2000年度に道東地域と道央・道北地域(空知、上川、宗谷、胆振、日高)を対象にした「エゾシカ保護管理計画」を策定、計画的な狩猟による頭数コントロールで被害額は減少傾向にある。

 道南地域は道東、道央、道北に比べてエゾシカの絶対数が少なく、被害もほとんど見られなかったため管理計画の対象外とされていた。しかし、渡島支庁管内のエゾシカによる農業などの被害額は、03年度が約36万円だったのに対し、04年度は約61万円、05年度は約274万円、06年度は299万円、07年度は892万円と急激に拡大。ヒグマの農業被害額697万円(07年度)と比較しても同水準まで拡大している。

 このため、頭数管理の目的で05年度から道南地域でもエゾシカの狩猟が解禁された。同支庁環境生活課自然環境係の小島圭介係長は「被害のスケールとしては他地域に比べてまだまだ小さいが、エゾシカの増殖するペースは道東地域での拡大した時のパターンに非常に似通っている。早期に効果的な対策を取ることで、道東の二の舞にならないよう努力したい」と話す。

 本年度の可猟期間は10月25日から11月24日、12月13日から1月18日、1月31日から3月1日と昨年に続き3回に分ける。中断期間を設けるのは、エゾシカの警戒心が強く、狩猟解禁から約2週間ほどで捕獲効率が極端に落ちることを配慮したもの。可猟期間を2回に分けていた06年度が256頭だったのに対し、昨年度は317頭に増えているが、05年度が333頭だったこともあり、3回に分けたことが効果を上げたのかは微妙な状況。小島係長は「本年度の実施データが加われば、より有効な回数設定が判断できるのではないか」としている。

update 2008/10/8 13:12
提供 - 函館新聞社


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