千軒ソバ 閉校した小学校体育館で自然乾燥
【福島】2003年に閉校した旧千軒小学校(福島町千軒)の体育館で特産のソバの自然乾燥が行われている。木材と網を4段に組んだ特製台を使ってソバの実を干す昔ながらの手法。送風機が24時間回り、朝、昼、夕に実を返す手作業が繰り返されている。
福島千軒地区の農家などでつくる「千軒そば生産会」(佐藤孝男会長)が手掛ける。ソバは近くの畑で9月21日に収穫した約4―5トンで、水分量が12・5%になるまで3週間ほど乾かす。生産コストや人件費などが掛かるため、輸入物や機械生産に頼る店舗が多数を占める中、種まきから収穫、自然乾燥、調理、販売という一連の作業を地域住民が積極的にこなす活動は全国的に珍しい。
送風機は町内の企業が無償提供。漁業者が夏場に養殖コンブの乾燥で使用するものもある。佐藤会長(62)は「地域住民の協力なしではできない。温かな人情が千軒そばのおいしさを生んでいる」と話す。
毎日午前6時ごろから約1時間、返し作業に汗を流す笹島義広さん(73)は「母校の懐かしい思い出に浸りながら楽しんでいる」と笑う。体育館に近い国道228号沿いのそば店「千軒そば」(同会経営)で、19日には新そばがメニューに登場する予定だ。
提供 - 函館新聞社
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