裁判員制度のイベント、市民の疑問に答える
法の日週間(1―7日)に合わせ、函館地裁、函館地検、函館弁護士会の法曹三者は4日、来年5月に始まる裁判員制度について市民の疑問に答えるイベント「みんなで築こう!函館の裁判員制度」を函館市中央図書館で開いた。上垣猛函館地裁所長の司会で、パネリストとして前田健三弁護士、柴山智裁判官、中屋利洋検事正と松本貴一朗検察官が参加。市民から制度への疑問や、量刑判断の是非など鋭い質問が飛び交い、議論を交わした。
刑事裁判を傍聴したことのある市民は、現行の裁判はわかりにくいと指摘。柴山裁判官は「従来は、専門家同士で精密なものを目指しすぎ、審理に時間がかかるという弊害があった。皆さんに入ってもらうことで、迅速に分かりやすい裁判になる」と述べた。
裁判員参加に反対意見を持つ男性は「厳罰化の流れもあり、判決がどう変わるか不安だ」と質問した。前田弁護士は「マスコミの報道で知らされていない側面も法廷では出てくる」とし、中屋検事正は「模擬裁判では必ずしも厳しい意見だけではなかった」と述べ、極端な厳罰化には傾かないとした。
参加した市民からは、人を裁くことに対する不安の声が多く出された。松本検察官は「不安に思うからこそ、制度に参加してもらいたい。(裁判官と裁判員が)経験、知識で結論を出す制度。適切な結論が出ると思う」とし、上垣所長は「裁判官は神の目になってはならない。法廷で出された証拠を一緒にみて判断してもらいたい」と話していた。
参加した市内の自営業の男性(58)は「上から押しつけられている感じもあり、もっと広く市民の意見を聞いた方がいいのではないか。制度について勉強します」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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