戸切地川の外来魚、駆除めぐり意見対立

 【北斗】北斗市内を流れる戸切地川に生息する外来魚、ブラウントラウトの駆除対策に対する現地検討協議会(道主催)が4日、北斗市総合文化センターで開かれた。食害による水産資源への影響から駆除を訴える漁業者側と、生態系への影響は少ないと駆除の有効性を疑問視する釣り愛好家らとの意見が対立し、結論は次回へ持ち越しとなった。

 ヨーロッパが原産のブラウントラウトは道内各地で、生態系の破壊などの問題を起こしている。戸切地川では年間約900万匹のサケ・マス稚魚放流を行っており、ブラウントラウトによる稚魚の食害の影響により回帰率の低さにつながっているとされている。その一方で釣りの獲物として人気が高く、戸切地川には全道・全国から多くの愛好家が訪れている。

 今回の協議会は、道の本年度の新規事業である「外来魚駆除総合対策」の中で、戸切地川のブラウントラウトが駆除対象となっていることから開催。地元の漁業関係者や自治体関係者、釣り愛好団体、道内各地の個人の遊漁者など約50人が出席した。

 協議会では、釣り愛好団体から「サケ・マスの回帰率が低いのは複合的要素によるもので、外来種ということだけでブラウントラウトを悪者にするのは理解できない」と反対の立場を表明。漁業者側からは「現在はまだ(ブラウントラウトの)数は多くないが、将来的に増殖する危険性が高く、早いうちに駆除することが効果的。もともと日本にいなかった魚が存在することが不自然」と駆除の必要性を訴えた。

 最後は上磯郡漁協の山崎博康組合長が「ブラウントラウト釣りを楽しみたいという遊漁者の気持ちも分かるが、漁業者も生活がかかっている。じっくり時間をかけて話し合い進め、納得のいく結論を出したい」と協議の延長を提案し、参加者全員が同意。次回の協議日程は未定となっている。

update 2008/10/5 14:57
提供 - 函館新聞社


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