小麦高で「米めん」注目、米粉でパンや洋菓子も
政府が製粉業者に売り渡す輸入小麦の価格が1日から10%引き上げられ、今春に次ぐ値上げでラーメン店やパン・洋菓子店などが対応に苦慮する中、小麦高騰を“追い風”に函館市内の食品会社では「米粉」を使っためんの売れ行きが好調だ。米粉を原料にした商品を出すパン・洋菓子店も「小麦アレルギーの人に好評」と今後の普及に期待している。
自家製の米粉を原料に2005年7月に「米めん」を商品化した米粉製造・加工品販売「OSK(オーエスケー)食品」(旭町2、加藤博志社長)は3月ごろから受注が増え、10月現在で昨年の1・5倍になった。米粉そのものは市内外の一部業者だけの取り引きで、米めんほど受注は伸びていないが、問い合わせは増えているという。
加藤社長は「小麦高騰の影響と食物アレルギーの人からの需要の増加が要因では」と分析。「特にパンの製造に向いているパウダー状の米粉を売り込みたい」と意欲を見せる。
今春の小麦急騰で店頭価格の値上げに踏み切ったパン・洋菓子店も「これ以上は値上げできない」と踏ん張る。小麦が値上がりする前から米粉製品を展開するトロイカ洋菓子店(港町1、坂上東樹店主)は「安心できる地元産食材を使い、付加価値を付けて魅力ある商品で勝負するしかない」ときっぱり。
地元産の米粉を使ったロールケーキやパン、クッキーなど5種類を販売しており、「米粉は生クリームなど素材との相性が抜群。一番人気のロールケーキはしっとり感とふんわり感を合わせ持ち、口溶けがいい。クッキーはパリッとした歯ざわりが出る」と普及を進める。
パン店「ドゥアンジュ」(美原3、小室恵司店長)も3種類の米粉パンを製造。「米粉パンだけを買う固定客はいるが、他の商品と比べると売れているという実感はまだない」とするが、「アレルギー体質の人には持ってこいのパン」とPRする。
ラーメン店も自助努力で値上げをせずに奮闘。「らーめん麺七」(市内昭和3、森利口静店主)では昨秋と今春の小麦価格の上昇で、めんの仕入れ価格が1玉(150グラム)11円値上がりした。今回の引き上げでさらに4、5円は上がる見通しだが、「光熱費などの経費を節約し、メニューの値は上げず、味も落とさずに頑張りたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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