森町官製談合、登被告に懲役1年を求刑
森町発注の町消防防災センター建設工事をめぐる官製談合事件で、競売入札妨害(談合)の罪に問われた、函館市内の自営業、登真人(まこんど)被告(60)の初公判が3日、函館地裁(岡田龍太郎裁判官)で開かれ、同被告は起訴事実を認めた。検察側は「町長に顔が利くことを利用し、1000万円の工作資金を得て、町長の影響力を盾に都合の良い談合を実現させた」とし、同被告に懲役1年を求刑した。判決は29日。
検察側は冒頭陳述で、同被告はかねてから面識があった前町長の湊美喜夫被告(79)から、経営していたスナックの営業資金200万円を借り入れていたと指摘。さらに湊被告は1989年ごろから、登被告が紹介した男に「竹島問題の賛助金」名目で、年数回20―30万円ずつ支払っていたとした。
同センターの工事受注工作では、登被告が2004年12月、東急建設側から藪下宏一被告(62)を介し、工作資金1000万円の供与を受け、湊被告に対し、東急建設が指名業者に入れるよう働き掛けた。入札直前の05年9月には、東急建設側の条件を有利にしようと、星組渡辺土建との共同企業体(JV)の組み替えや、出資比率の変更を湊被告に応じさせた。
被告人質問で登被告は、湊被告を要求通りにさせるための手法について、森町の談合体質を背景に「町長を応援している星組渡辺土建の談合について公表すると迫ることで認めさせた」とした。工作資金1000万円の使途は「借金の返済や息子の進学資金に使った」と供述。湊被告には見舞金として計260万円を渡したことも明らかになったが、談合とのかかわりについては言及しなかった。
一方、弁護側は「東急建設が強く望んだ結果で、被告は同社の手足に過ぎない。談合が慣例化していた森町の責任の方が重い」とし、登被告は「森町民には心からおわびしたい」とした。
提供 - 函館新聞社
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