精神障害抱える寿崎さんが介護員2級を取得

 七飯町の寿崎(すざき)剛志さん(47)が精神障害を抱えながら、4カ月掛けて介護員(ホームヘルパー)2級を取得し、研修を受けた函館社会福祉介護学院(函館市美原1、吉田正樹学院長)で3日、修了証書を受け取った。寿崎さんは「これから資格取得を目指す精神障害者のためにも、自分がやり遂げて懸け橋になりたかった。サポートしてくれた皆さんへの感謝を忘れず頑張りたい」と話している。

 寿崎さんは会社員だった37歳の時、躁(そう)病を発症し、現在は同町の「障がい者グループホーム有夢」で生活している。道央に住む母親が介護を受けていると知って介護職に興味を持ち、生活保護の中からわずかな資金をため受講費をねん出した。

 講座は通常1カ月間で取得できるコースだったが、薬の副作用による眠気やコミュニケーションの問題、添削課題の点数が合格点に達しないなどで時間が掛かった。同学院ではこれまでも障害のある受講者を受け入れ、寿崎さんには個別指導などできめ細かく対応。同グループホーム管理者の吉田輝明さんら支援者も協力した。一緒に学ぶ受講者にも病気について理解してもらった。同日ともに修了証書を受け取った仲間を寿崎さんは「最高の宝物」と感謝する。

 途中であきらめかけた時期もあったが、同じグループホームの入居者で介護事務を目指していた女性が亡くなり、「彼女のためにも頑張ってやり通すと決めた」と奮起。近く墓前に修了証書を見せに行くつもりだ。今後について「すぐに答えは出ないが自分にも資格を生かして何かできることはないか考えている」と話す。

 吉田学院長は「障害を抱えながら資格を取って頑張っている人を知ってもらい、同じ立場の人の励みになれば」とし、今後は障害者向けの講座開設も検討。同学院の修了生で、自らも当事者でありながらNPO法人全国精神障がい者地域生活支援センターの理事長を務める能登正勝さんは「いろいろな意味で障害者の受け皿は少ないので、サポート体制を整えてくれることに期待している」と話している。

update 2008/10/4 13:15
提供 - 函館新聞社


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