福島町、議会不同意で教育長不在

 【福島】福島町は1日から教育長が不在となる異常事態に陥っている。町は9月の定例町議会で、任期満了に伴い、2期目に向けて現職教育長らの選任案を出したが、町議会(溝部幸基議長)が不同意としたためだ。村田駿町長は「不同意になったことは残念。まずは教育行政の停滞を防がなければならない」としているが、この不同意の真意が判然としないため、地域住民からは「町民に開かれた議会を掲げ、全国的に素晴らしい賞を受けた自慢の議会だが、この一件だけは疑問」「なぜ不同意に至ったのかを明確にするべきだ」との声が挙がっている。

 定例町議会は9月24日、金谷裕教育長(62)と熊野茂夫教育委員(59)の再任について、無記名投票で採決。金谷氏は賛成5、反対6、熊野氏は賛成4、反対7で不同意となった。

 町は「2人とも任期中は熱心で、町の未来を見据えて各種会合などに奔走してくれていた。2期目も頑張ってくれると期待していたが…」と不測の事態に戸惑う。少子化による学校の統廃合問題などが継続される中、教育長不在という事態は避けなければならず、新人事案づくりを急ぎ、10月中旬には議会に再提案したい考え。

 町内の男性は「無記名投票にする理由が分からない。議員の頑張りは認めているが、この不同意では落胆した人も多いのでは」と話す。

 福島町議会は、議会・議員の自己評価制度やホームページを活用した議会資料の公開など、住民に向けた積極的な情報公開を進め、地方議員の政策コンテスト「マニフェスト大賞」(ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟など主催、早稲田大学マニフェスト研究所共催)では2006年に「審査員特別賞」、07年には最高位の「最優秀成果・議会賞」を受賞している。

 今年3月からは通年議会を試行。町民にとって今回の「不同意」は、こうした「開かれた議会」の姿勢とかけ離れた形に映っている。

 無記名投票について、議決権を持たない溝部議長は「採決は極力、意思表示が明確な起立採決を基本とするが、人事案については繊細な部分が多く、地域の実情を考慮するのも重要」とし、「誰が適任かは議員各自の判断であって、不同意という最終的な結果はあくまで議会の判断と受け止める。まずは教育長不在の事態を一刻も早く解消しなければならない」としている。

update 2008/10/1 12:07
提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです