未成年の喫煙補導数 激減…同期比の3分の1に

 たばこ自動販売機用の成人識別カード「taspo(タスポ)」が道内で導入された5月以降、函館市内では喫煙で補導される未成年者が激減したことが市青少年補導センターのまとめで分かった。28日までの補導数は昨年同期の3分の1にとどまり、未成年者の喫煙防止に一定の効果が表れた格好だ。一方、親が子どもにタスポを貸すなど成人のモラルが問われる問題もあり、たばこ業界や学校などの関係者は啓発に力を入れている。

 同センターによると、上半期(4月―9月28日)に補導した未成年者は89人(昨年同期比65・4%減)で、このうち喫煙での補導が78人(同66・8%減)と大きく占める。高校生が41人で最も多く、無職17人、有職12人が続き、中学生は4人。補導した場所はカラオケボックスが8割と圧倒的で、公園や路上もあった。

 同センターは「5月以降の減少はタスポ効果といえる。学校の指導や販売店の協力なども要因」と分析。ただ補導員の巡視時間帯が周知され、携帯灰皿の普及で喫煙のこん跡を見つけにくいなどの問題から「喫煙が減ったのか見つけられないだけか、つかみ切れない」と説明。「コンビニで買えたケースや親、兄姉からタスポを借りたり、買い置きのたばこを家から持ち出したりすることも多く、喫煙を認める親もいる」と明かす。

 29日に市内の日本たばこ産業(JT)函館営業所で開かれた本年度の未成年者喫煙防止対策協議会で、同センターの補導数などが報告され、たばこ組合やJT、同センター、学校、道警の関係者12人が対策を話し合った。

 市中学校生徒指導協議会会長の田辺信之函館潮光中校長は「購入方法が限定され、買いづらくなったが対面販売で入手した例もあった。タスポを奪う犯罪も懸念される」と指摘。JT道支店の進俊彦課長は「タスポ導入で流通経路の一つを絶ったが、家庭教育を含め社会全体で取り組む必要がある」と話した。

update 2008/9/30 13:17
提供 - 函館新聞社


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