道教育大 小川准教授が新作家賞…「新制作展」彫刻部門
国内有数の公募美術展「第72回新制作展」(新制作協会主催)の彫刻部門に2作品を応募した道教育大函館校の小川誠准教授(47)が、「風の住人―翼の断章」(テラコッタ製)で2005年以来2回目の新作家賞を受賞、同時に「風の住人―翼の休息」も入賞を果たした。今回が20回目の挑戦となった小川准教授は「仏教の五大要素のひとつ『風』をテーマに、風の神様をイメージし、新しいものと古いものの融合を意識的に表現した。2作品受賞はうれしい」と喜んでいる。
小川准教授は仏教美術にも造詣が深く、仏教の教えを根底にした具象彫刻の制作を続けている。過去3年間は、柔らかな曲線で母性を表現した母子像「癒しのかたち」シリーズで同展に出展。今回、作風を大幅に変え、彫刻の存在感や生命感の強さを意識した新シリーズ「風の住人」に挑戦した。
構想開始は約1年前で「最初の4カ月は以前の作風を捨てることに費やし、産みの苦しみを味わった」と話す。
「翼の断章」は等身大の作品で、倒れかかった体を背中の翼で支えるフォームが古典的な味わいを持つ。「翼の休息」は翼を持つ人が横たわる姿を表現した。赤さびを使い着色することで、作品全体の重みや迫力を出した。また、時代の経過を表現するために「崩し」と呼ばれる手法で、焼き上がり後にさらに作品を削り、タッチの強さを出したという。
同協会の彫刻部門は、本道にもゆかりのある本郷新氏や佐藤忠良氏らが1939年に創設した美術展で、次回、新作家賞を受賞すれば会員に推挙される。小川准教授は「道内の彫刻美術界と新制作協会が縁遠くなって久しい。3回目の挑戦は厳しいと思うが、道内を拠点とする作家として彫刻文化発展に貢献していきたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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