大船、鷲ノ木遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が「世界遺産」候補地に

 文化庁は26日、世界文化遺産への登録を目指す候補として、函館市の史跡大船遺跡や森町の史跡鷲ノ木遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」などを追加することを発表した。北海道、青森、秋田、岩手の15遺跡で「顕著な普遍的価値を持ち、世界遺産委員会の評価基準を適用できる可能性が高い」と評価された。函館市は「数年後の世界遺産登録を目指し、関係機関と連携した運動をしたい」と話している。

 4道県の知事が昨年12月、国の世界遺産暫定リスト登載に向けて提案書を文化庁に提出。文化審議会の特別委員会が、全国各自治体から提案があった32件のうち、5件を世界遺産暫定リストに登載するよう答申した。

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、大船遺跡、鷲ノ木遺跡のほか、青森県の三内丸山遺跡、秋田県の大湯環状列石、岩手県の御所野遺跡など15件で構成。函館市教委生涯学習部の阿部千春参事は「円筒土器文化圏というまとまりがあり、土器の文様も同じ。アスファルトやヒスイ、漆(うるし)などが出土し、津軽海峡を往来して交易や交流があった」と説明する。

 縄文文化は自然との共生の中で1万年にわたって続き、高度に発達、成熟した安定的な採集、狩猟、漁労文化。同部の須田正晴部長も「縄文文化は日本の風土や文化、伝統を築く礎となった。昨年6月には南茅部地区の著保内野遺跡から出土した中空土偶が道内初の国宝に指定された。中空土偶は大船遺跡など南茅部の縄文遺跡群を象徴する出土品」と意義を語る。

 今後は世界遺産の登録に向け、ユネスコ世界遺産センターが国際記念物遺跡会議(ICOMOS)に評価を依頼。世界的な視野で縄文遺跡群を調査し、高い評価で登録候補となれば、同センターが世界遺産委員会に推薦し、適正と認められれば登録される。

 文化審議会の答申を受け、函館市の西尾正範市長は26日、「当市の縄文文化が日本を代表する文化遺産であると認められたことであり、大変喜ばしい。今後は青森などと連携を深めながら世界遺産登録を目指し、縄文文化を函館の新たな魅力として、まちづくりや観光振興にも生かしたい」とコメントした。

 ほかの4件は次の通り。

 「金と銀の島、佐渡」(新潟)、「九州・山口の近代化産業遺産群」(福岡、佐賀など6県)、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡)、「百舌鳥・古市古墳群」(大阪)

update 2008/9/27 10:07
提供 - 函館新聞社


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