市民に広がる不安、憤り…事故米、メラミン

 事故米の不正転売や有害物質メラミン混入疑惑など食の安全にかかわる問題が相次ぐ中、24日には事故米による原料が混入した可能性のある食材が道南の学校給食にも使われていたことが判明、消費者の不信感や怒りは募るばかり。安全確保に向けた対策を求める声が高まっている。

 中学1年の娘を持つ函館市の40代の母親は「(事故米の)問題は業者も被害者であり、国に怒りを覚える」と憤る。学校給食に携る教諭は「学校側は相手を信用して書面でチェックをしており、こうした問題は作り手の良識に訴えるしかない」と嘆く。

 市内の主婦(58)は「メーカーを信用して買うしかない。企業は利益優先ではなく、安全性をもっと重視してほしい」と訴え、「消費者も安さばかり追求すると食の安全を見失うので気をつけたい」と気を引き締める。市内亀田町の男性(37)は「作り手の顔が見えるシステムを構築することで不正防止になるのでは」と提言する。

 業者も風評被害や客離れに神経をとがらせる。ある大型店では、メラミン混入の恐れのある商品を扱ってはいなかったものの、担当者は「中国産ギョーザの事件以降、細心の注意を払っているが、末端にいるわれわれは対処できない。中間地点でのチェック機能のあいまいさが問題」と怒りを込める。

 同市内の食品加工・卸会社の社長(42)は「事故米を高い値段で売り付ける詐欺行為を助長した国の責任は重い」と厳しく指摘し、「原料を仕入れる際に、DNA鑑定してまで調べるのはコストが掛かって無理。信じるしかない。取引先に『偽装や不正はない』と念書を書いてもらうこともある」と対策に頭を悩ませる。市内本通の飲食店経営者(63)は「輸入品ばかりに頼らない地産地消が今こそ大事」とする。

 市立函館保健所に現時点で健康被害の報告はないが、生活衛生課は「国や道からの情報も得ながら対応していきたい」としている。

 函館消費者協会の米田イツ会長は「食品表示にないものが混入していると、消費者は防ぎようもなく、知らずに食べてしまうのは恐ろしい」とし、「事故米の一件は行政に落ち度がある重大な事件。行政がとことん真相を究明し、今後どのように改革していくか注視したい」と話している。

update 2008/9/26 12:03
提供 - 函館新聞社


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